おんぶ、からの...
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なにか楽しいことはないか...なんて考える私の前にいるのは、心優しい幼馴染。
「なあなあ、あっくん」
「ん?」
「おんぶ」
「えー?どないしたん急に」
いくら彼が自分に甘いからと言って、流石にこれは藪から棒。
でも、私には確信がある。
「...ダメ?」
彼なら絶対に了承してくれる、と。
「しゃあないなぁ...」
ね?
「これで満足です?お嬢さん」
見晴らしの良い高さになり、さっきよりも気分は上がった。
...のだけど。
「んー...」
「ん?なんか不満なん?乗り心地悪い?」
「んーん。ただ...」
「ただ?」
「なんか足りんの......あっ」
なにかが降ってきたように、ハッとする。
「あっくん...」
「はいはい?」
「発進!」
「えっ」
声高らかな私と逆に、下から戸惑いを含む短い言葉が聞こえた。
もちろん、それも一瞬のこと。
「...しっかり捕まっといてな?」
「うん!」
「よっしゃ」
そう小さく息を吐き出すと、あっくんは勢いよく走り出した。
当然揺れはすごいけど、不快に感じるなんてことは全くない。むしろ、アトラクションみたいな楽しさ。
直感とは言え、我ながらナイス判断である。
「...ふふっ」
「おっ、機嫌ようなった?」
「うん......って、別に悪いわけちゃうかってんけど?」
「ははっ、せやなぁ」
流すように笑う彼にちょっとだけムッとするのは、多分図星を突かれたから。
それがなんだか悔しく感じるのも、甘やかされているからかもしれない。
もういいよ、と終了の声掛け予定を変更し、あと少しだけ広くてあったかい背中を堪能することにした。