諸星夢
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たった2日間、されど2日間。
日数にしてみれば僅かでも体感では果てしなく思えたこの2日間、私は耐えに耐えた。メッセージや音声でやりとりは出来ても埋めきれない穴がある中、そりゃもう耐えましたとも。
(長かった.........でも、夕方には帰ってくる...!)
今日はまだ、起きてからの一度しか時計を見ていない。見たところで針の動きが早まる、なんてことがないのは学習した。
流石にスマホは見ないわけにもいかないけど、時計のとこだけ見ないようにするのはそう難しいことじゃない。
とは言え、手持ち無沙汰になると、どうしてもこの小さな電子機器に手を伸ばしてしまう。
こんな時は他に意識を向けるしか方法はない。
(うーん、掃除...はもうしたし、読書......あ、そういえば前に買ったパズルなかったっけ?)
買ったまますっかり放置してしまっていた娯楽品の存在を思い出す。時間潰しにもちょうど良い。
そうと決まれば早速、と腰を上げた時。
『ピンポーン』
来訪者を知らせる音が鳴った。
(あれ、なんか荷物届く予定あったっけ?......あっ勧誘とか?...だったらやだなぁ)
後者の場合、断ることは出来るが単純に面倒くさい。
居留守を使えるよう、返事はせずに小走りで玄関へと向かう。ドアスコープからそっと確認すると、そこには予想外の人物が映っていた。
「えっ...?!」
一度離れて再び小さなスコープを覗き込むも、やはりさっきと変わらない。
急いで鍵を外しドアを開くと、思ったよりも勢いがついてしまったのか、驚いた表情が目に飛び込む。
配達業者の人でも、宗教勧誘者でも、友人のアポ無し訪問でもない。
「だ、大...?!」
「ビビった......ただいま、椿」
丸くしていた目を細めて私の名前を呼ぶのは、紛れもなく恋人だった。