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「...なるほどね、それであんなのところに入ってたんだ?」
「うん...ついね、テンションがね...」
神君の言うあんな場所...から出るところを見られてしまったら、事情を話さずにはいられない。
偶然にも居合わせてしまった神君に、入った経緯から今の今まで出られなかった理由までを白状した。一応告白劇のことは少しぼかして、出ずらい相手だったとだけにしておいたけど。
「...だからその、閉じ込められたとか、趣味で入ったとかじゃないの」
「うん、さすがにそれは分かるよ」
「良かった、変な趣味のある女と思われたらどうしようかと」
「テンション高くなったからって掃除用具入れに入ろうと思うの自体、まあまあおかしいと思うけど」
「仰る通りです...」
「酸欠にだってなりかねないし、もうやめなよ」
「はい...もうしません」
「よし......ところで、山田から伝言預かってきたんだけど」
「え、伝言?」
山田とはカメラを撮りに行ったまま戻ってこない友人のことだ。
「部の出し物のことで呼ばれてすぐには戻らないからオフショはまた後日、だって」
「あーそれで...伝言ありがとう、賜りました」
「どういたしまして。じゃあ、オレも部のほうに用事あるからもう行くよ」
「うん......って、それ伝えるためだけに来てくれたの?」
「そう。山田に頼まれたのは偶然だけど」
自分の用事もあるのに、わざわざ言付けを預かってきてくれたなんて...しかも当の私はバカなことしてる真っ最中。
申し訳なさしかない。
「ほんっっっとにごめん...!」
「そんなに謝らなくていいよ。オレも好きで引き受けたんだし」
「だけど...」
「いいから。あ、でも...上田の気がすまないなら、ひとつだけ頼み事聞いてくれる?」
「もちろん!なんでも聞くよ!」
「本当に?」
「うん、私に出来て法律の許す範囲なら!」
「はは、そんな大袈裟なことじゃないんだけど...ありがとう」
微笑む彼に、思わずドキッとする。
(やっぱり神君ってかっこいいなぁ...はっ!あぶないあぶない、気を引き締めなきゃだった)
「う、ううん全然!...それで、頼み事ってなに?」
「文化祭、オレと一緒にまわってほしい」
「なんだそんなこと.........えっ?!」
「二日のうちどっちかだけで良いんだ。空いてる時間があれば」
「えっと......」
「上田にしか出来ないし法律上もセーフ、頼まれてくれるよね?」
「あっはい...」
「良かった。それじゃ、今度こそ行くから。文化祭までお互い頑張ろう」
「うん...」
理解が追いつかないまま教室に取り残された私の頭に浮かんだ言葉。
それはもちろん、文化祭マジック。