magic
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文化祭マジックって、どこの学校でも発生するものだと思う。
準備期間中に急接近したり、浮かれた気分で普段より告白が成功しやすかったり...カップルが量産される季節になった。
「ずっと好きだったの...付き合ってくれない?」
ここにも、恋人同士になるかならないかの瀬戸際な男女が一組。
ちなみに私は現在進行形でその二人と同じ空間にいるわけだが、付き添いで来たわけじゃない。まして盗み聞きしてるわけでも。
...正直、状況的に後者はちょっと近いけど、不可抗力であってとにかく違う。
私が居る場所、それは自分の教室...
...の掃除用具入れの中。
念のため言っておくと、好きでこんなとこに居るんじゃない。
クラスの出し物で撮影のオフショットに使うから中の様子を確認してただけ。その時つい悪戯心が働いて、入ってきた人を脅かしてやろうと身を潜めてしまった。
自分が悪いのは分かっている、分かっているが言わせてほしい。
(何故こんなことに...!)
待機して5分程で男女が一人ずつ入ってきた。どちらもクラスメイトでそれなりに仲も良い、脅かすならうってつけの相手。
さあ、出るぞ!と扉に手をかけたところまでは良かった。
まさかそのすぐ後に、告白劇が始まるなんて誰が想像しただろう。
すっかり出鼻を挫かれたうえ、動揺が止まらない。
(いや、悪いのは私なんだけどさ...)
だいたいオフショでそんなシーンいるのかよ、と思うだろう。残念、それも特有のハイテンションで全く気にしなかった。
なにそれ楽しそう!とノリノリだった数分前の自分よ、一時のテンションに身を任せると痛い目を見ると今の私から伝えておく。
あと言い出しっぺの友人、あなたはいつ帰ってくるの、カメラ取りに行くのにどれだけ時間かかってるの…!
(...まあ今来られても困るけど!)
先程とは別の意味で身動きを立てぬよう細心の注意を払い、呼吸も出来るだけ静かにする。
それが、今の自分にできる精一杯。