形勢逆転
name change
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「上田」
「なぁに、藤真君」
「オレと付き合わないか?」
「無理です!!!!!」
「...はぁ」
「藤真君にそんな顔させてしまって切腹したい勢いだけど、その表情大好きだよ!ブラボー!」
「ほんっっっ...とに意味わかんねぇ」
まるで緊張感のないやりとりだが、これでも一応、告白イベントだったりする。
遡ること三ヶ月前、オレはこの告白相手...上田奈緒子への気持ちを自覚した。
それまで、ちょっと変わった面白い友人くらいにしか思っていなかった彼女が、特別な存在に変わるきっかけは割と単純なもの。
散々自分の容姿を称賛していた彼女が、実は内面をよく見ていたことを偶然知り、簡単に言ってしまえばギャップを感じた。
けれどそれに浸る間もなく、彼女の口から続けられた衝撃のセリフ。
「藤真君から特別に好かれたいわけじゃないもん」
自惚れでなく、彼女の方も明らかに恋愛感情を持っていただけに、頭の中は大混乱だった。
ちなみにこれは彼女が友人と話していたものであって直接言われたわけじゃない。
芽生えたばかりの恋心は、その瞬間から試練に立たされた。
それからしばらくは様子見と称して心の整理をしていたのだが、こちらの心情など露程も知らない彼女は、相変わらず賞賛し続けるマイペース。片やオレは以前のように適当に遇らいながらも、日を追うごとに彼女への想いが増していった。
そしてある日、彼女と二人きりで話している時のこと。
息をするよに「好きだ」と言う彼女に「それなら付き合うか」と告げてみた。もちろん本気で。
すると彼女は一瞬驚きの表情を見せた後、すぐに笑顔に戻ってこう答えた。
「今の藤真君、かっこよすぎてドキドキしちゃった!新しい返し方だね!」
正直これは予想の範囲内。どうやら彼女は、本気で自分がそういう目で見られているとは思っていないようだ。
結局それ以上なにも言わずに終了したが、この日を境に決意したことがある。
彼女を振り向かせよう、と。
(...上手くいかないもんだな)
ゼロからのスタートより、相手も自分に好意を持っている方が可能性は高いと思っていた。
けれど、それは全くの見当違いだったらしい。
