重要なのは
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顔以外と言ってもビジュアルに関係する要素を挙げるだろう。上田だし。
...なんて思っていたのに、彼女が口にした内容はその予想を大きく裏切っていた。
(マジか......)
彼女の言葉を頭の中で反芻させる。
半信半疑どころか、2割も期待していなかっただけに衝撃はかなりのものだ。
「なに、ちゃんとしたこと言えるじゃない。なんで本人に言わないの?」
「言う前に話切り上げられちゃって...」
「あー、それは...お気の毒様」
そういえば、今朝もなにか言いかけていたのを遮ったような気がしないでもない。厳密に言えば遮ったのは花形になるのだろうけど、彼女からしたら同じこと。
そう考えると、あのお約束のようなやりとりから先に話が進んだ記憶がない。
彼女は話そうとしていたかもしれないのに。
(オレが最後まで聞こうとしなかっただけで、本当は......)
「まあどっちにしろ藤真君前にすると顔が好きって感情で埋め尽くされちゃうから他のこと言う余裕ないんだけどね」
「前言撤回しとくわ。ノンブレスに本気を感じる」
「えへへ」
「...けどさ、今のことちゃんと伝えたら振り向いてもらえるんじゃない?」
「ああ、それは別に良いの」
「え、なんで?」
「藤真君から特別に好かれたいわけじゃないもん」
「は?」
「さすがに嫌われるのは悲しいし困るけど」
「は?」
「相槌がこわいよ!」
「ごめん...いや、あんた藤真のこと好きなんじゃないの?」
「好きだよ?」
「恋愛的に?」
「うん」
「でも付き合いたくはないの?」
「うん」
「なにそれ謎」
「んふふ」
安定の不安定。
完全に矛盾しているが、これほど彼女には相応しい言葉はない。知れば知る程、独特な思考の持ち主なのだと実感させられる。
(好きだけど付き合いたくはない、か......上田らしいっちゃらしいが)
マイペースに語る彼女に抱いた感情は、安堵とも呆れとも違うものだった。
(ははっ...我ながら単純すぎるな...)
それでも、否定するつもりはない。
自覚したその気持ちも含めて。