仙道くんとユーレイさん
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重かった身体が軽くなったように感じるのは、気のせいじゃないだろう。
大声がしたのと同時に、原因である謎の黒いモヤモヤした......長いから黒モヤとして、上にいた黒モヤが視界から消えていた。
同時に金縛りの方も解けたらしい。驚いてビクりと震えたのが証拠。
さて、黒モヤもさることながら、今最も気になるのは突然現れた第三者の存在である。
自由になった身体を起こし部屋の中を見渡すと、ほんの少し離れた位置にそれはいた。心なしか震えているようにも見える黒モヤと、その前に仁王立ちする女性の後ろ姿。
分かっているのはこれくらい...いや、この非現実的な状況下でならこれくらいがちょうどいい気もする。
キャパオーバーになりかねない。
『あなた今何時だと思ってんの?!』
代弁してもらったところで申し訳ないが、そのセリフの権利を与えられるの、少なくともこの中だと自分だけでは...?
非現実的という言葉を使った直後ではあるものの、変わらない声量で眼下の黒モヤを圧倒している女性に騒音問題・ご近所トラブル...etcの現実へ引き戻される。
しかし、そう感じさせるだけあって、不気味さ混じりのボソボソ声とは正反対に一字一句はクリアだ。
怒号でなければさぞ聞き心地の良いものであったと思わせる、そんな声。
『好きだからってねぇ!なんでもかんでも許されるなんて思うんじゃないの!勘違いも甚だしいわ!』
幽霊のお姉さん...ってこれも長いな...幽霊、れい......レイコさんでいっか。
会話が成立しているのか不明だが、レイコさんの様子を見る限り二人...二体?の間では意思疎通がとれているらしい。
そしてレイコさんの口振りや内容からして、ガッツリ自分も関係している。
どうやら黒モヤは自分に好意的な感情を持っているようで、それが行き過ぎての出来事。
そこにレイコさんが登場、今に至る。
うーん、なんというかこれは...あれだな。
「カオスすぎるな...」
『え?』
「え?.........あ、声出た」
口をついて出た言葉は感想から一転、この後の自分達の状況を現すものになる。
ぱちくり、なんて表現がぴったりの瞬きをするレイコさんの顔を見つめながら、そう悟った。