仙道くんとユーレイさん
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(やっぱアレ動いてるよな...)
″アレ″とは、視線の先に広がる暗闇、小さな違和感のこと。
気のせいかもしれないが、最初より暗闇の範囲が増しているような...縁のあたりがうねうねと蠢いている気がする。
夜の風景とは言い難いこの謎の生き物(便宜上)を相手にどうするのが正解なのか。
今のままでは不明な点が多すぎる、諸々と。
(かと言って触んのはちょっと...そもそも触れんのか?固体と液体の中間?)
いずれにしても、指一本動かせない自分に確かめる術などない。
ならいっそ、このまま寝てしまうのもアリに思えてきた。
幸いにも、瞬き含め目の動きは自由がきく。いやむしろ、それ以外にすること...もとい出来ることが見当たらないだけなのだけど。
そうやって意志を固めた直後、再びある変化に気づいた。
(...なんだ?なんか.........音?)
音、正確には声が聞こえる。
___...っ...の......のに...し...
恐らく聞き慣れた言語であると理解出来たものの、内容までは解らない。なんなら、言葉である事実も理解出来ないままの方が良かったと若干後悔した。
中途半端に理解出来てしまう方が気持ち悪い。言っていること自体は謎のままなのも、不気味さを募らせる。
(そもそもなんで急にこんな......厄日、いや遅刻とサボりの罰か?)
もしそうなら勘弁してもらいたい。
こうしてる今だって、やはり謎の生き物は動いて見えるし、音声も聞こえてくる。
(げっ...こっちきた......なに言ってんのか分かんないし帰ってくださーい......って通じるわけねぇか)
予想通り言葉と願いは通じず、遂にはマウントポジションのような状態に持ち込まれてしまった。
物理的な距離が縮まったからなのか、さっきよりも鮮明化される声。
言っていることがなんなのか、それが分かってしまったらどうなるのだろう。
ホラー映画なんかだと、呪いだか祟りだかで悲惨な目に遭うのが定番。ここはもうなにかしら覚悟した方が良いのかもしれない。
これは諦めるのではなく潔いだけ...と誰にするでもない言い訳を頭の中に並べる。
いよいよ明確に聞き取れてしまう距離にまで近づいた時、今度はしっかりと捉えることが出来た。
ただし。
『うるっさあああああい!!!!!!!!』
先程まで耳にしていたものと大きさやトーン、あと多分内容も全く異なる声を、だが。
......お次は一体どちら様?