仙道くんとユーレイさん
name change
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
寝苦しさに目を覚ます。
何度か瞬きを繰り返すと、少しずつ意識がハッキリしてきた。辺りの暗さや静けさから判断するに、まだ朝まで余裕があるのだろう。
先程までの煩わしさは夢のせいだったのか、今はなにも感じない。
まあ悪夢だったにしても内容までは記憶していないのだが......それとは別に、小さな違和感があった。
けれど、まだ寝ぼけているからなのか、その答えへなかなか辿り着けない。
考えながら寝返りを打つと、枕元に置いていた時計から発される光が目に入る。時間にルーズすぎる!と部活仲間達から贈られたデジタル時計には、草木も眠ると称される時間帯が表示されていた。
草木も眠ってるのに自分は起きているのか...と少々自虐気味になったところで、ふとあることに気づく。
(なんかこっち暗すぎる...ような?)
不思議なことに自分の寝ている周辺だけが異様に暗く感じた。
外から聞こえてくる音と、寝る前の記憶が正しければ今夜は雨。雲に覆われているせいで室内へ光は届かない。
すなわち、こんな時間にこの狭い空間で明暗の差を感じること、これが違和感の正体なのだ。
(.........ま、いいか)
人によっては気にしてしまうだろう。
しかし、自分的には正直そんなに興味のあることではない。あんまり考えてもキリがなくなるだけだ。
そんなことより、時間があるなら寝ていたい。
春休みで明日は部活もない完全オフ日でこそあるものの、こんな風に考えてしまうのは育ち盛りの健全な学生たる所以。
そうなればすることはひとつ、寝直すだけ。
.........なのに。
何故、身体が動かないのか。
つい数分前までゴロゴロとベッドの上を転がっていたはず。
それがどうしたことか、現状では目線を動かすのが精一杯の有様。無論、手足も動かせない。
まるでピタリとベッドに貼り付けられたような、指先まで硬直している感覚。
所謂あれだ、金縛り。
(......初めてなったな...本当に動かねぇや)
突如として不可思議な出来事に見舞われたにも関わらず冷静でいられるのは、マイペースなこの性格故だろう。
一見すると現実逃避にも思えるが、そんなことは決してない。何故そう言い切れるか、答えは明白。
現状から目を背ける人間は、経過観察など行わないからである。