仙道くんとユーレイさん
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「探索するなら拠点を置いた方が便利でしょ?」
『いや、私の話聞いてた?未成年の部屋に転がり込めるわけないでしょ!』
「あ、やっぱそこなんだ」
『生身の人間時代の名残でね』
「幽霊に法律は関係ないんじゃ?呪殺は法で裁けないって言うし」
『人としての良心があるの。あとなんで幽霊よりホラーな話にしちゃうの?急に怖いんだけど』
「ものの例えで他意はありませんよ」
『どっちにしても遠慮しとく。言ったでしょ、見えなくしたいなら私が離れてみなきゃ』
「レイコさんこそ聞いてなかったんですか?このままで良いんです。むしろ今のままじゃないと」
『どういうこと?』
「せっかく見えるようになったんだし、オレにも手伝わせてください」
『手伝うって、まさか...』
「もちろん、ケンちゃん探しです」
今の自分の状況を一番有意義に使うなら、これしかない。
「灯台下暗し、実は結構身近なとこにいるかもでしょ?」
『...有難いけど、それじゃ私ばかり助けてもらうことになっちゃう』
「ダメなんですか?」
『借りは返す主義だから、私。良いことも悪いことも』
「過激だなぁ...第一、先に助けられたのは...あ、ならこうしましょう」
『...?』
「レイコさんはオレを危ない系のヤツからガードしてください」
『ガード...』
「はい、幽霊とかそういうの詳しくないし、身の守り方は全然なんで。これならフェアでしょ?」
正直、これでOKを貰えるかものすごく不安だ。なんなら無理な可能性の方が圧倒的に高い。
『...はあ.........分かった』
「えっ」
ダメならダメでそれもまた縁...そう思っていたのに、彼女の返事は自分にとって芳しいものだった。
『蒸し返すわけじゃないけど、こうなったのは私のせい。それ相応の責任を取るのに自分のポリシーなんか掲げてらんないよ』
「本当に、良いんですか?」
『ええ』
「...オレが言うのもなんですけど、かなり脳筋的な条件ですよ?」
『私、これでも強い方だから』
(うん、それは知ってる...)
「...決まりですね」
『任されたからには全力でやるから。キミのことは私が守る』
「やだ、レイコさんかっこよすぎ...って、そうだ。今更ですけど自己紹してなかったですね」
『人のことずっとあだ名で呼んどいて本当今更だよね、それ』
「はは、すみません。オレ、仙道彰です」
『仙道君ね。私は上田』
「上田さん...下の名前は?」
『...内緒。レイコのままで良いよ』
「オレは言ったのに」
『紛らわしいし、もう慣れてきちゃった』
「えー」
『そう呼び出したあなたの責任だからね?』
それを言われてはなにも返せない。
まあ、うろ覚えで人の名前を認識していることが多い自分が強制するのも気が引けるし、ここは素直に身を引こう。勝手にとは言え自分でつけたあだ名呼びの許可も、本人から得られたことだし。
「なら仕方ないですね。じゃあ改めて......よろしく、レイコさん」
『こちらこそよろしくね、仙道君』
出会いの季節、不思議な生活がスタートした。