仙道くんとユーレイさん
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「幽霊ってもっと不気味なもんだと思ってたんですけど...貞子みたいな」
不思議に感じたことへの興味というものは、そう簡単に消えない。
これまで体験したことがないからか、それとも...
『全部それだとスプラッタすぎでしょ』
律儀に答えてくれる、この相手のせいなのか。
「それもそうですね」
『てか、昨日の子だってキミからするとだいぶ不気味だったんじゃないの?』
「否定は出来ないですね。でも、その後すぐ衝撃的な展開になっちゃったんで」
『あー...はは、そうね......うん、トラウマにならなくてなにより...』
「はい、ありがとうございます」
どちらにせよ、この状況を楽しく感じているのだから悪いことじゃない。
「...なんかイメージ変わりました」
『良い方向へ変わったなら結果オーライじゃない』
『ですね。レイコさんみたいな美人の幽霊もいるって知れたんでラッキーです」
『美人なのは両親に感謝してる。あとキミ、タラシって言われない?』
「たまにね」
『やっぱり.........さて、と。そろそろ私もお暇しようかな』
「え、行っちゃうんですか?どこに?」
『具体的な場所は決めてないよ。のんびりケンちゃん探しをするの』
「天国じゃないんですか?」
『案外メルヘンなこと言うね。天国があるか知らないけど......少なくともケンちゃんはそこにいない』
「分かるんですか?」
『女の勘』
「下手な理由より説得力ありますね、それ」
『でしょ?それにさ、私が居ない方が前みたいに見えなくなるかもしれないじゃない』
「見えなく...オレは別にこのままでも平気ですよ?」
『いやいや、なに言ってんの』
見えなくなるモノの対象には無論、彼女も含まれている。
もちろん、変なモノが見えて気分が良いとは言い切れない。でも、昨日以前の生活を取り戻して彼女ともお別れするか、このまま不思議な縁での繋がりをとるか、選ぶなら後者一択だ。
彼女からすると能天気に思える発言は、自分の本心からの言葉。そう伝えたところで信じてもらえるかは............あ、そうだ。
『まあしばらくはこの辺で「レイコさん!」...?!な、なに...びっくりした...!』
「すみません、良いこと思いついちゃって」
『良いこと...って?』
話を遮ったうえ、驚かせてしまったのは申し訳ないけれど、善は急げと言うから仕方ない。
「オレと一緒に暮らしましょう」
勢い任せや思いつきと言われても無理はないが、ちゃんとメリットを考えての提案だ。
『.........は?』
肝心の彼女はまだ脳内処理が追いついてないようだけど。
たしかに、会って間もない男にこんな話を持ちかけられたら驚くのが普通だろう。
...と言っても、彼女の方は自分を知っていたし、幽霊だから一般的な見方を当てはめて良いのか分からないが。