仙道くんとユーレイさん
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些細な出来事が重なって大きな結果を生み出すことがある。内容の良し悪しやその大きさに個人差はあれど、人はなにかしら、誰かしらの影響を受けていくものだ。
『お互い意識してないし、私とキミの出会いが示し合わせたものじゃないのは理解してもらったと思うけど...結果として今回のことに繋がるきっかけが私なのも変わらないでしょ......だから、ごめんね』
それでも。
「...レイコさんのせいじゃないよ」
『え...?』
自分が影響を受けた相手がレイコさんであったこともだが、それには様々な要因が奇跡的に重なっただけ、と言う事実も含まれている。
「今までかこの先、知らないうちに同じようなことが起きてたかもしれないでしょう?それが昨日だっただけです」
『それは...』
「そもそも昨日の子はレイコさんが出てくる前からうっすら見えてましたよ?」
『だけど、あの子を無理にでも連れ出してたら、少なくとも関わらずに済んだかもしれないし...私の選択ミスだよ。だから「レイコさん」...なに?』
「さっきも言いましたけど、遅かれ早かれこういうことに巻き込まれてたかもしれないでしょう?ならむしろ、こうやってレイコさんと会えて良かった。実際助けてもらったんだし......だから、謝らないでください」
ねだる様に笑ってそう告げると、彼女は長く息を吐いた後、少し困った様な顔で答えてくれた。
『...わかった。当事者のキミがそう言うなら、私がグダグダ言うのも良くないし』
「ありがとうございます」
『お礼を言うのは私の方だよ。ありがとう』
「いえ......あ、そうだ質問があるんですけど」
『うん?』
「生霊さんの意識...記憶?って本体に戻っても残ってるんですか?」
『ああ、それなら心配しないで。生霊なんて無意識のうちになるもんだから本人も覚えちゃいないのよ』
「そっか...ん?でもそれってレイコさんの脅しは『脅しだなんて失礼な』...脅迫?」
『一緒じゃないの』
「んー...じゃあお灸?」
『まあ...それなら』
「良かった。それで、お灸を据えた意味ってあるんですか?本人が覚えてないならまた生霊化しちゃうんじゃ...」
『大丈夫でしょ、多分』
「多分」
『だって経験ないし。まあ仮に現れたところで私の敵じゃないし、此処へ来る前に強制送還コース一択かな』
「おお、かっこいい」
『ふふん』
自信満々な彼女の姿とあの時の出来事を照らし合わせると、たしかに心配する必要はないらしい。
先程までの悩ましさがすっかり消え去った彼女を見つめているうちに、自然と表情が綻んだ。