怪我の功名
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「はぁ...」
「どうした?」
「あ...ごめ、その.........今日はなんか、地味に嫌なことが連続しててね。ちょっと疲れてたんだ」
厳密に言うと今考えていたこととは違うけど。
「...オレで良かったら聞くぞ?」
「ありがとう.........けどなぁ...くだらない内容だからなぁ」
「話すだけで案外変わるかもしれないだろう?気分的にも、な」
一理ある。
どうせ黙ってなきゃいけないことでもないし、いっそ笑い話になれば運気も変わるかもしれない。
思い切って、今朝の占いのことから順に身に起こった出来事を話すと、彼は時折相槌を交えて聞いてくれた。
...口にしてみて改めて思ったけど、半日でいろいろ起こりすぎじゃない?大丈夫?これ笑ってもらえる?
「なんと言うか...大変だったな?」
「笑ってもらえるとありがたいなぁ」
「上田みたいにか?」
「うーん、それだと余計に切なくなっちゃうかな。これ苦笑いだし」
「だろうな」
「...でも、なんかスッキリしたよ。ありがとう」
「オレはなにもしてないが...上田の気が楽になったのなら良かった」
「...牧君のおかげだよ。本当にありがとね」
少なくとも、牧君でなければここまで気分は上がらなかったのではないだろうか。
好きな人の効力は絶大だな、と隣に並ぶ想い人をこっそり見上げてみる。
すると、予想外なことに相手もこちらを見ていたらしく、ばっちり目が合ってしまった。
このままではまた顔が赤くなる...かと言って急に目を逸らすのも不自然。
ぐるぐる考えを巡らせている中で先に口を開いたのは牧君だった。
「上田」
「う、うん?」
「慰めになるか分からないし、逆に不快にさせてしまったら悪いんだが...」
「...うん?」
「童話みたいだな」
「...うん???」
うん???
「ごめん牧君、童話って...?」
「ああ、すまない分かりづらいよな。上田の話と踊り場での事が童話みたいに思えたんだ」
「えっそんな童話あるの?私知らない...」
「上田も知ってると思うぞ?シンデレラだ」
「シンデレラ」
「ああ、シンデレラ」
2回言った...。あの牧君が2回、シンデレラって言った...。
いや待って、シンデレラってどこ辺が...?