バカップルと、オレ。
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「ナーン」
「!......慰めてくれるん?キミ、かわいいだけやのうて優しい子なんやなぁ」
ちゃうわ。
お前の辛気臭い顔は調子狂うんや、アホ。
せやから早よ泣きやめ。
「ふふ、なんや元気出てきたわ。キミのおかげやね、ありがとう」
ふん、当然やろ。お前のあやし方くらい知っとる。
ずっと一緒に過ごしてきたんやから。
お前と、南と、オレと。
「なんやキミ見とるともう一人の幼馴染思い出すわ。実里て言うんよ。あ、でもキミみたいに静かやないけど」
やかましいわ。誰が言うとんねや。
お前より静かな方やろ...多分。
「でも、情に厚いしうちらのこと大事に想てくれとる優しい人なんよ。うちも烈も、実里のこと大好き」
...なんやねん、こんなんで絆されんぞ。
「あ、今のは絶対内緒...て猫ちゃんやから平気か」
残念やったな、全部聞いたわ。
ま、オレは優しいからな、秘密にしたる。
「...よし、仲直りしてくるわ」
おう、早よ行け早よ行け。
「そんで、これからはケンカ減らせるように頑張る」
そらええことやな。
痴話喧嘩しかしとらんし、気にする程でもない思うで。
「ほな猫ちゃん、またね」
またな。この格好ではもう会いたないで。
「......はっ!」
視界に映る腕、視線の高さはいつも通り。
肝心の言語は...
「あーあー、アホ南、泣き虫奈緒子」
これも問題なし。
元に戻った...いや、悪夢だっただけか?
「誰がアホや」
「泣き虫ちゃうし!」
「...!南、奈緒子......なんでここにおるんや?」
「迎えにきたったんやろ」
「珍しく図書室おる思たら...勉強もせんと悪口?」
「これから帰るとこやったんや。お前ら二人で先帰ったら良かったやろ」
「烈が実里のこと探しとったし...」
「は?お前が探そて言い出したんやろ」
「岸本は?って聞いてきたんやんか!」
「オレは聞いただけで探し出したんはお前の方や」
「あーもーどっちでもええわ。ここ図書室やぞ、静かにせぇよ」
「聞いたか、奈緒子。静にせぇよ」
「解せんのやけど......はぁ、とにかく帰ろ」
「せやな。岸本、支度早よ」
「......おー」
普段やったらバカップルと帰りたない、て言うとこやけど、今回は別や。
「...お前らホンマ、オレのこと好きやな」
しゃーないからまだもう少し見守っといたるわ、バカップル。