バカップルと、オレ。
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人類のうち、何割かは猫になりたいと思とる人種がおるらしい。
オレ?オレはないで。
猫んなったらバスケ出来んようなるし。
...せやから、夢やったら早よ覚めてくれ。
190近くあった身体は約10分の1程、5本の指でボールを掴んでいた手は小さく丸くプニプニした感触、どんだけ毛深いにしてもそうはならんやろレベルの体毛に包まれた全身。
極め付けに、人語が話せへん。
「...ナーン」
いやこれある意味話せとるな。
けど、なにがナーンや。インド人ちゃうねんぞ。生まれも育ちもバリバリ大阪やっちゅーねん。
...しかし困った。この姿から普段のオレを連想をする奴はおらんやろうけど、万が一がないとも言い切れん。
現にこうして絶対ないやろ案件に見舞われとるし。
とりあえず人おらんとこ移動するか......っちゅーか猫の視界ホンマ低いな。草やら植木やら顔に当たりまくるんやけど。
ガッサガサ音もうるさ...
「...っ!誰!?」
...ぅお!
誰てそっちが誰......げっ、奈緒子...。
「なんや...猫ちゃんか」
そないホラー映画のワンシーンみたいな反応、素でやる奴おるんやな。夜やったら完全にフラグやで、それ。
まあ訳も分からんと動物なった挙句、全裸で異性の前に立たされとる現状は史上最大の恐怖体験やな...オレが。
「...でも良かったわ、見られた相手キミで」
なんや...泣いとったんか。すぐ泣くんは相変わらずやな、気ぃ強いくせに。
...これ急に戻ったらいろんな意味で死ぬな、オレ。
「猫ちゃん、うちの話聞いてくれん?ここで会うたんもなんかの縁やと思うて、な?」
オレには分かる。
疑問系にしとるけど自分、逃す気ないやろ。がっつりホールドしよってからに。
...別にええけけどな。
「うちな、彼氏おんねん。幼馴染なんやけど、無愛想でドライでせっかちで頑固で理屈っぽくて...」
短所のとこノンブレスてお前...相当怒り溜まっとんな。
おい南、めっちゃ言われてんで。
「...まあ無愛想言うても昔に比べての話で感情表現ゼロなわけちゃうし、ドライも頑固も言い換えたら周り流されん芯の強さあるてことやし、理屈っぽいのも博識なんがよう分かってかっこええなて思うんやけど」
どないやねん。
は?オレ惚気られただけちゃうか?
そんで奈緒子、語りながら腕に力込めんのやめや。
こちとら小動物やぞ、今。内蔵出るわ。
「そんでな、その彼氏...烈って言うねんけど、さっき烈とケンカしてもうたんよ。素直になれんうちが悪いんやけど...はぁ、なんでうちってこんなんなんかなぁ......」
...頭濡れるやろ、猫は水好きちゃうねん。