事実を言ったまでですが?
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「とりあえずこんな感じ?気になることある?」
用意した紙に家事担当を書き記し最終確認を取る。
担当と言っても、代行が条件である彼がほとんどを負担することになるのだが。
「洗濯ペースどんくらいがええかな」
「2、3日くらいまとめてでいいんじゃない?タオルとか枕カバー合わせてもそんなないし。あ、ネットとかに入れなきゃいけないものは各自ね」
「ん、りょーかい。干すんと畳むんは?自分のもんに触られるん嫌やったら各自のがええ?」
「私は別に平気だけどそっちは?」
「ボクも身に纏ってへん下着に興味ないなぁ」
「じゃあいっか」
「あかんやろ」
「どっちよ」
「奈緒子さんの女子りょ......危機感のなさはあかんけど気にならへんのやったらボクが引き受けるわ」
「今女子力ないっつったか?」
「言うてへん。言いかけただけや」
「同じでしょーが!そんでなに性癖暴露しちゃってんの?」
「誤解と恐怖を与えんための自己申告や」
「別の意味で誤解与えてんじゃないの」
「自分かて知り合って間もない異性に警戒心と遠慮なさすぎやと思うで」
「警戒心なんか今更持っても遅いのよ。遠慮がないのはお互い様だし」
「せやね」
「ちょっとくらい否定しなさいよ」
「まあそれは置いといて、や」
「あんたホンット自由ね」
「ははっ、それよう言われるわ。話の続きやけど、収めるんは自分でやってな?なんぼ興味ない言うても気が咎めてまうし... 奈緒子さんと違うて」
「最初っからそのつもりだけど?最後の一言いる?あんた私をなんだと思ってんの?」
「女子力は欠如しとるけど綺麗で優しいお姉さん」
「...貶すか褒めるかどっちかにしなさいよ」
私への雑な扱いどうにかならないのか。
仮にも......いや仮もなにも家主だと言うのに。
「......次は注意事項ね。遅くなる時や帰らない時は連絡を入れる、お互い勝手に人を連れ込まない」
「はーい。あ、ボクからもええ?」
「なに?」
「寝る時は一緒の布団で」
「暑いし寝苦しいから嫌。客間使いなさい」
「却下や」
「あんたにその権限あるわけないでしょ!大人しく一人で寝ろ!」
「そんなん嫌や!」
「急な駄々っ子モードなんなの?!」
「ボク人肌ないと寝られへんもん」
「あんた今までどうやって生きてきたわけ?」
「ボクのことは新種の抱き枕や思うて、な?」
「抱き心地あんま良くなさそうだから遠慮するわ。てか抱き枕になってたの私だし!」
「幼気な青年の頼みやと思って」
「見た目が全然幼気じゃないんだけど」
「ダメ?こない頼んどるのに?」
「しつこっ......あーもー分か「奈緒子さんやったらそう言うてくれるて信じとった」...切り替え早っ」
またも押しの強さに負けてしまったが、素直に喜んでいる様子を見るとこれで良かったのかも、と思えるから不思議だ。
「.........体調悪い時とかは別で寝てよね」
「もちろん。これで一安心や」
「そんな大袈裟な」
「大袈裟ちゃうで?もしダメやったら部屋水浸しにしてでも一緒に寝るつもりやったし」
「は?」
「手段選ばんタイプやねん、ボク」
さっきとは別の意味で承諾して良かった、と心の底から思う。冗談に聞こえない。
「じゃあ細かいことは追々にして......私は二度寝させてもらうわ」
「今から?」
「もともとゆっくりするつもりだったの。いろいろあって予定狂ったけど」
「ふーん。せやったらボクも一緒にええ?」
「...どうせダメって言っても無駄でしょ」
「さすが、分かっとるなぁ」
あれだけ振り回されれば嫌でも分かるでしょうよ、とジト目に含んでみたものの、そんな視線を気にもとめず私の手を引き、勝手知ったるかのように寝室へと進んで行く。
......本当なんなんだろ、この状況。
背を向けるようにしてベッドに寝転がれば、起きた時と同じように彼の腕が巻きついてくる。夢オチなんて無意味な期待をするなと言わんばかりのがっしりホールド。
やっばり私が枕じゃないかと思いつつ、大人しく目を閉じた。