本日、センチメンタルにつき。


堂々と咲き誇る向日葵

絶え間なく聞こえる蝉の声

カラッとした爽やかな空気

綺麗に澄んだ青空

まばらに浮く薄い雲

優しく降り注ぐ陽の光

穏やかに吹き抜ける風

どれも大好きなもののはずなのに、気持ちの方は晴れやかと言い切れない。



「どないしたん?溜息吐いて」

優しい声でそう問いかけるのは、恋人の淳君。
どんな小さなことにもすぐ気がつく程、私のことをよく見てくれている彼が、無意識に溢れていてらしい吐息を見過ごすはずがなかった。

「んーん...別に」

一応弁明しておくと、捻くれてるからこんな態度をとったわけじゃない。この気持ちを上手く表現する言葉が見つからないだけ。
伝えたいとは思っているだけに、内心モヤモヤしてしまう。

それでも、以前よりは感情に素直な行動を取れるようになった。いつもストレートに気持ちを伝えてくれる彼と一緒に過ごしてきた時間のおかげだろう。
保たれかかるように身体を預け、一緒に外を眺めている現状こそがその証。言葉の方はまだ、あんまりだけど。

そして、そんな私の微妙な心情までしっかり汲み取ってしまうのが、彼のすごいところだ。

「それにしても、ええ天気やなぁ」

他人が聞くと、ただ当たり障りない話題を振っただけのように思えるこのセリフ。
実のところ、モヤモヤの核心に迫る重要な切り出しだったりする。

「...うん」

今の私がこんな素気ない相槌しか出来ないと解ってくれて、それでも受け止めてくれる包容力。

だからこそ、安心して寄りかかっていられる。
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