坂田さん、坂田さん
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店長に電話で呼び出されて『すまいる』へ行くと、男の楽園の筈がなぜか化け物の巣窟になっていた。
「…あの、帰ってもよろしいですか?」
「あぁぁぁ~!!響ちゃん!!響ちゃんが来てくれた~!!」
ほぼ半泣きの状態で私に縋ってくる店長にドン引きする。
て、店長…。はっきり言うのは失礼ですけど、ちょっと気持ち悪いです。
「おいハゲこら。テメェ何響ちゃんにベタベタしてんだ!!羨ましいっつの、バカヤロー」
「バカヤローは坂田さんでしょう」
ギリギリと店長の頭を鷲掴みにする坂田さん。というか、なんで開店前の店に坂田さんがいるんだろうか。
「あっ、響ちゃんアル!!久しぶりネ!」
そう言いながら笑顔で近付いてくる顔面白塗り厚化粧の女の子。…ちょっと待て、君は誰だ!!いや語尾とか服装とか髪型とかでなんとなく分かってはいる。分かってるけど、分かりたくない。
「…か、ぐらちゃん?ど、ドウシタノーそのカッコ」
「自分でやったアル!!大人っぽくなったダロ!!」
どちらかというと大人っぽいというよりも化け物っぽくなっている。というか子どもが想像する大人のメイクという感じで、逆に子どもっぽくなっている。
まぁその化粧してれば変な客に絡まれることもないだろうし、良いのかもしれない。キャバ嬢としては失格だけど。
「ちょっと、貴女。銀さんとどういう関係なの」
ジロリと私を高圧的な目で見下ろすのは、藤色の髪の毛の美人さんだ。だがこの人の趣味なのか、なぜかボンデージを着ている。SMが趣味の方なの?…そういえば坂田さんもSM好きだったっけ。俺はSとか言ってたし。
「ただの知り合いです」
「嘘よ!!どうせ私を差し置いてヤることヤってるんでしょう!!そうやって私を馬鹿にして楽しんでいるんでしょう!」
風評被害も良いところだ。私にそういう趣味は無いんだけど。てかこの人、まさか…。
「坂田さんの彼女さんですか?」
首をかしげながら尋ねると、美人さんは顔をぼんっと真っ赤にした。や、やだ、そんな…。と照れまくっているところを見るに、美人さんは相当坂田さんにぞっこんなようだ。
「何照れてんだストーカーが」
おらどけ雌豚が、と坂田さんは美人さんを蔑みまくっている。あ、なるほど。坂田さんって本当にこういうプレイが好きなんだ。
なんというか、
「ついていけない…」
ぼそりと呟くと、坂田さんは物凄い勢いで振り返り、肩を掴んできた。顔近い!!
「違うからァァ!!そういうプレイとかじゃねーから!!」
がくがくと身体を揺さぶってくる坂田さん。ちょ、やめてっ。肩痛いから!!
「坂田さん痛いです」
そう抗議するも坂田さんの耳には入っていないらしい。私を揺さぶり続けている。いい加減キレてやろーかと思ったところで、救世主が現れた。
「響ちゃんになにしてんのじゃ己はァァ!!」
志村さんである。やはり彼女は逞しく、坂田さんの背中に飛び蹴りをかました。そう背中だ。つまり必然的に私も巻き添えを食らう。どんっと背中に衝撃が走る。そして身体中にのしかかる重み。
「坂田さん早くどいて下さい!!」
「やっべ、エロ…」
ぐいぐいと坂田さんの胸板を押すが、私と坂田さんでは天と地ほどの体格の差がある。私が坂田さんを押し退けるなんて不可能なわけで。なぜか体重を掛けてくる坂田さんをキッと睨みつける。すると坂田さんはジッと紅い目で私のことを見てきた。
「響ちゃんってさー、ホント俺のこと煽るの上手いよね」
「はぁ?」
怪訝な顔をすると同時に太股にナニかを押し付けられたような感覚がした。そう、固いナニかだ。
サッと顔が青ざめる私に坂田さんはゆっくりと顔を近付けてくる。坂田さん、完全にそういう流れに持ち込もうとしてるよね。だって坂田さん、勃ってるもの。
「どいてったら!!」
そう叫んだと同時に坂田さんの重みが消えて安心する。何が起きたんだ、と慌てて身体を起こすとそこには般若のような顔をした志村さんとメガネさん、神楽ちゃんが居た。
「銀さんサイテーです。見損ないました!」
「テメェ響ちゃんに手を出しやがって…去勢されたいのか?アァ?」
「銀ちゃんマジキモいアル。暫く私に近付かないで」
た、助かった…!!ホッとする私の肩をちょんちょん、と誰かが控えめに叩いた。
振り返ると、唯一まともと言っても良い服装をした可愛らしい眼帯ツインテールの女の子が居た。
女の子はちょっと恥ずかしそうに、もじもじしながら尋ねてきた。
「その、銀時のアレはどうなっていたんだ?」
…?銀時の、アレ?えっ?
「銀時のアレ、とは…」
「ち○このことだ。さっきチラリと見たとき、股間が盛り上がっていたように見えたのだがアレはどういう事なんだろうか」
…この子がピュアなことは分かった。分かったのだが、それを私に聞かないで欲しい。というか女の子がそんなダイレクトに隠語言っちゃダメでしょ…。こんな可愛い顔しているのに、この子中々ヤバい子だ。
「若ァァ!!アレは男が性的興奮を覚えたときになる現象です!つまり銀時殿は響ちゃん殿にムラムラしたということです!!」
「なるほど、あれがムラムラか…!!」
顎を手に当てて考え込む女の子。なんかさっきからヤバい人しかいないんだけど。女の子の従者っぽいひとはなぜかソープ嬢の格好をしてるし。坂田さん達はリアルスマブラ繰り広げてるし。猫耳の熟女さんはソープ嬢の格好で、しかも胸丸出しだし。
「…響ちゃん。今日ね、将軍様がご来店するの。響ちゃんだけが頼りだから」
ポン、と肩に手を置きながらサムズアップした店長の親指を反対方向に曲げたくなった。