竜宮篇
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「…ん」
ザザン、と寄せては返す波の音に目が覚めた。身体を起こそうとした時、右手が軽く引かれた。引かれた先を見てみると、銀時さんがいた。私の右手と銀時さんの左手はしっかり繋がれている。
あぁ、そうだ。思い出してきた。
あの時海に放り出された後、銀時さんとしっかり手を繋いで、上手く息ができない銀時さんの手を引きながらなんとかこの孤島まで泳いできたのだ。どうやら銀時さんは泳げないらしく私の右手にそれはもう必死にしがみついていた。
それで孤島までたどり着いたは良いけど、気絶した銀時さんを陸まで引っ張り上げるのになけなしの体力を使い切り、ぶっ倒れたのだ。
「銀時さん、銀時さん」
銀時さんを揺するがまだ起きる気配はない。周りを見渡してみる。人っ子一人いない。皆を探しに行こうか?いや、でも今銀時さんと離れるのもどうだろうか。とりあえず銀時さんが起きてから皆のことを探しに行こう。
「僕らは完全無欠じゃない~♪」
大不正解のサビ辺りまで来たとき、銀時さんがようやく目を覚ました。銀時さんの顔をのぞき込みながら尋ねる。
「銀時さん、お目覚めですか?」
「響ちゃんの下手くそな歌で目ェ覚めた」
「ほっといて下さい」
身体を起こした銀時さんは辺りを見渡した。
「アイツらは?」
「分かりません。少なくとも私は見ていないです」
「ふーん、てことは今ここにいるのは俺と響ちゃんだけかァ」
口角を片方だけ上げた銀時さんに嫌な予感がする。ゆっくりと近づいてくる銀時さんから後ずさるようにして距離をあけるが、銀時さんは逃がさないとばかりに腕を私の背中に回し、押し倒してきた。
「ちょ、ちょっと銀時さん!?何を…」
「何って…無人島でカップルがヤることつったら一つしかねぇだろ?」
「ぎ、んときさ…んっ」
私の胸に顔を埋めて大きく深呼吸をしてきた。くっ、くすぐったい…!!何とか止めさせようと銀時さんの胸を両手で押し返すも、一つに纏められて頭の上で拘束される。
「…っはは、エッロ…」
ゆっくりと顔を近づけてきた銀時さんから慌てて顔を逸らす。
「やだぁ…」
「そんな事言っても響ちゃんも興奮してんだろ?」
耳を舐められて思わず身体を震わしてしまう。しかもゆっくりと太股を触られては流石にたまらない。出そうになる声を必死に我慢する。流されちゃ駄目…流石に青姦は恥ずかしすぎて無理!
「こっち向けよ」
恐る恐る銀時さんの紅くて綺麗な瞳を見る。…なんか別に良いか、という気になってしまった辺り、私は銀時さんに相当甘いのだろう。銀時さんがゆっくりと顔を近づけてきたため、私も目を瞑る。
ざり、と遠くで砂浜を歩くような音が聞こえた。…ちょっと待って。
目を開けて音が聞こえてきた方を見る。
「いっ、やァァァアア!!」
渾身の力を振り絞って銀時さんを突き返す。完全に油断していた銀時さんはへぶらぁ、という奇妙な声を上げながら後ろに倒れた。
「…俺たちの事は気にしなくて良いからさ!!」
「おっ、お邪魔してしまったみたいですね」
顔を真っ赤に染めて目を合わしてくれない隊長さんと若干気まずそうな顔をしたマダオさんがいた。みっ、見られたァァァ!!私これからどんな顔して隊長さんと話せば良いか分からないよ!!
「銀時さんの馬鹿っ!だから嫌だって言ったんです!!」
「ふーん、じゃあヤること自体は嫌だったわけじゃねーんだな」
「揚げ足取らないで下さい」
ずい、と顔を近づけてきた銀時さんの顔を手で押さえる。しばらくそんな事を続けていると、マダオさんが物凄い勢いで落ち込み始めた。何だって言うんだ。
「最近銀さんに彼女ができたって聞いて…ぜってぇ嘘だと思ってたのに…。こんなに可愛くてスタイルの良い彼女が銀さんにできるなんて!!羨ましい!!」
可愛くてスタイルの良いだって。マダオさん凄い褒めてくれる。いやー、なんか照れるなぁ。
「全然釣り合って無いじゃん!!月とすっぽんじゃん!!」
「誰がスッポンだコラァ!!美男美女のお似合いカップルだろーが!あと正式に言えば響ちゃんは彼女じゃなくて俺の婚約者だから。そこんとこ間違えんなよ」
銀時さんの言葉が止めとなったのか、マダオさんは叫び声を上げながら地面に倒れこんだ。