竜宮篇
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先程の亀…亀梨さんと言うのだが、どうやら竜宮城のガイドをやっているらしい。盗撮のお詫びと警察に突き出されないための賄賂として竜宮城に連れて行って貰うことになった。
しかし…かれこれもう2時間もボートで海を漂っている。そろそろ浸かれた。銀時さんの肩に頭を保たれるとポンポンされた。
亀梨さんは船舶免許を持っているはずなのになぜ手漕ぎのボートなのかと銀時さんが尋ねたところ、以前イルカと人身事故を起こして今裁判中なのだとか。亀梨さん一体前科何版なんですかいい加減にしろコラ。
ザザザと後ろから波を掛け分けるような轟音が聞こえてきて振り返る。物凄い勢いでクルーザーがこちらに向かってきていた。そして甲板には見慣れた人物が。
「姉上!?九兵衛さん!?」
志村さんとキャバクラで出会った眼帯の子がいた。九兵衛さん、普段は男性っぽい服装なんだなぁ。髪型もポニーテールだし刀も差してる。…あれ、本当に同一人物??
志村さんと九兵衛さんは亀(黒光りしてるし胸毛も生えててなんかワイルド)の娘が悪い男に捕まっていたのを助けて竜宮城に連れて行ってもらえることになった、と言っていた。ということは行き先は同じ。
「姉上ェェェェ!!僕らも乗せてェェェ!!」
「アネゴォォォォ!!」
志村さん、私達も乗せて欲しかった…。
「竜宮城混むって言っていましたよ!!急がないと」
「くっそだらァァァァ!!負けてたまるかァ。俺たちの夏休みィィ!!」
隊長さんと銀時さんが亀梨さんからオールを奪って漕ぎ始めたとき、波が大きく揺れる。波に煽られて海に放り出されそうになった時、銀時さんが腕を強く引いてくれた。
「っぶね。大丈夫か?」
「だ、大丈夫です…。ありがとうございます」
ようやく波が収まって、自分達の体制を自覚する。普通に胸を銀時さんに押しつけてた。しかも私が銀時さんを押し倒しているみたいな感じになっている。
慌てて銀時さんから離れて神楽ちゃんの隣へ行く。恥ずかしい。顔をパタパタ扇いでいたら「そのままイチャイチャしてろよクソが」と蔑まれてしまった。流石に傷つくよ、神楽ちゃん。
大きな波が起きた原因は突如現れた軍艦のせいだった。髭面の強面の亀とサングラスを掛けたおじさんが乗っているのが見えた。
「よォ銀さん。俺崖からみをなげようとしててらな、この亀に救われて今から竜宮城に行くところなんだ」
色々とツッコミどころはあるが、気にしないことにする。銀時さんの周りには『普通』からは逸脱している人が多い。そんな銀時さんと一緒にいる、ということは私もどこか逸脱しているところがあるのかもしれない。…多分普通だと思うけど。とりあえず気になったことを尋ねてみる。
「銀時さんの知り合いの方なの?」
「あれはマダオアル。銀ちゃんとよくパチンコ行ったり酒飲んだりしてる無職のみオッサンアル」
「そうなんだ」
銀時さん知り合い多いなぁ。会った人みんな知り合いじゃない。なんて確率なんだ。
ボートに大きな影が落ちた。顔を上げると巨大な亀…いや鼈が空を飛んでいた。もう訳が分からないよ。ちなみにガイドは亀ではなく桃太郎とその仲間達。色々間違っている。巨大な鼈の上に乗っている長髪の男性は銀時さんに話しかけた。
「銀時ィ。こんなところで会うとは奇遇だな。俺はキビ団子を頂いた礼にこれから天竺に向かうところでな」
西遊記か。もはや浦島太郎とはなにも関係ない。
そこからはもう滅茶苦茶だった。軍艦と火を噴く鼈が争いを始め、先に行っていたと思っていた志村さんのクルーザーの亀も参戦し始めた。当然何の武器も持っていない私達は逃げるのに必死だったが流れ弾に当たったらしく、船は四散。勢いよく海に叩きつけられる直前に銀時さんがこちらに手を伸ばしているのが見えた。私も思いっきり銀時さんに向かって右手を伸ばして-海に落ちた。