竜宮篇
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寝床班の隊長さんと九兵衛さん、そして探索班の銀時さん、神楽ちゃん、ヅラさんが中々戻って来ないため、私達食事班は皆を呼びに行くことにした。マダオさん、基長谷川さんが魚を釣って来てくれたからあとは焼いて食べるだけだ。しばらく歩いていると洞窟の前に隊長さんと九兵衛さん、そして亀梨さんがいるのが見えた。亀梨さんもこの竜宮城に流れ着いていたんだ。私を盗撮したのは許さないけれど、取り合えず無事で良かった。
亀梨さんの話を聞くにここは無人島では無くて竜宮城らしい。竜宮城、思ってたところと違う…。亀梨さんの明らかに仏様になったとしか思えない奥様が居たりとか若干信用しきれない部分はあったけれど、ここが竜宮城というのはどうやら本当みたいだ。
「やったァァァァァ!!帰れる!!もう竜宮城なんてウンザリだ!!紆余曲折あったけが帰れるなら文句はねーよ!!さっさとこんなとこトンズラしようぜ。おい亀ェェ!!俺たちをさっさとこの島から帰せ!!もうウンザリなんだよ、こんな所!」
隊長さん、なんか亀梨さんに当たり強くない?普段一人称僕なのに俺って言ってるし。人って追いつめられると思わぬ変化を遂げるなぁ。
「帰るって、どこに?」
は??
「帰るところなんて、どこにもないっスよ」
亀梨さんはそう言うとテレビを着けた。ここテレビあるんだ。今思う事じゃないんだろうけど普通に気になるよね。電気とか通ってるように見えないんだもの。
テレビに映し出されたのは、江戸の町が謎の亀らしきカラクリが背負った箱から出た煙によって老人にされていく光景だった。阿鼻叫喚の地獄絵図で目も当てられない。思わず目をそらしてしまった。お父さん、お母さん、大丈夫かな。この混乱で怪我とかしてないと良いけど。クソ兄貴はまぁ家でゲームしてるだけだろうから平気だろう。
「どーいう事なんですかこれは!!一体江戸で何が起こっているんですか」
「あれは竜宮城で開発された玉手箱G」
「竜宮城!?竜宮城が江戸にあんな攻撃を仕掛けているんですか!?どーいう事だよ、ここも竜宮城じゃねーのかよ!!まさかてめーも敵!?」
うーん、なんだか複雑な話になってきたな。亀梨さんは眼鏡をサングラスに掛け替えながら答えた。亀梨さんはどうやら乙姫の野望を共に叩きのめす勇士と見込んで私たちをここに呼んだらしい。乙姫の野望って何だろう。人々を皆老人に変えてしまったことと関係あるのかな。
ドドォンと何かが爆発するような音が聞こえた。洞窟、ではなく亀梨さんの家から出て崖下の様子を伺う。ガラの悪い亀達が亀梨さんの名前を叫んだ。
「亀梨ィィ!!出てきやがれェェ!!てめーは完全に包囲されている!!大楼主親衛隊隊長の身でありながら乙姫様に反旗を翻したこと、万死に値する。てめーが地球人をかくまっているのはお見通しだ!!すべての地球人は処分の対象!!地球人共々即刻出てこい!!」
もしかして、私達殺されるのでは?
どうしよう、と亀梨さんを見ると亀梨さんは行くぞ、と言ってもう駆け出していた。ま、待って!!
慌てて亀梨さんの後を追いかける。水着で良かった。着物だったら走れなくて間違いなく置いて行かれてただろうから。後ろから何かが爆発する音が聞こえる。怖すぎて振り返れない。それよりも銀時さん達は大丈夫かな。もう捕まっちゃったりしてないよね?
「ちょっとォォォォ!!どうなってんですかァァ!!僕ら夏休みに来たんですけどォ!!夏休みなんですけどォォ!!」
「平たく言う。この星は竜宮城の主、乙姫様に狙われている。このままいけばこの地球はじーさんとばーさんしかいない星にされるぞ!!俺はその企みに勘づき計画を阻止するため、乙姫を叩き潰すことができる勇士を探していたんだ!!」
そのためにあえて悪事を働いていたと言う亀梨さんの左腕には盗撮ビデオが抱えられていた。…正義云々じゃなくて明らかにあんたの趣味でしょうが!!しかも産卵期のお嫁さんもほったらかしてるし。本当にこの人?亀?について行っていいのか不安になってきた。
森の中まで逃げてきたけど、すっかり亀に囲まれてしまった。
「響ちゃん、不甲斐ない銀さんの代わりに私が守りますからね」
志村さん…!!かっこいい!!
亀にドロップキックを喰らわせたりする志村さんに惚れそうになる。でも何もしてないで守られているだけ、というのは嫌なので亀達に地面の意石を投げつけておく。適当に投げつけておけば当たらなくても安易に近づけなくなるだろう。
「くそっ!!こんな時に限って何故一番頼りになる奴らがいない!」
「頑張って持ちこたえて下さい!!もう少しの辛抱です。あの人たちは必ず来てくれるはず。銀さんなら必ず…!!」
隊長さんがそういった時その声は聞こえてきた。
「よォ待たせたな」
振り返って、絶句する。嘘でしょ、ねぇ嘘だと言ってよ…!!
「今から行くからの~、待っとれ新…新…なんだっけ」
「新一郎君じゃ。大きくなったのう。おいで、50円あげよう」
老人になった銀時さんとヅラさん、そしてそんな二人を呆れた目で見ている老人にはなっていない神楽ちゃんがいた。