竜宮篇
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その後志村さん、九兵衛さん、神楽ちゃん、長髪の男性(銀時さんはヅラと呼んでいた)と合流した。…なんかさっきからヅラさんが顎に手を当てながらじっと私を見てくる。いや、何なの??
「あの、何か?」
「貴殿は銀時とどういう関係なのだ?銀時と特別仲が良いように見受けられるが…」
「はぁ、婚約者ですけど…あの、なんでしょう?」
私が婚約者だと言うと、ヅラさんはカッと目を見開いた。怖い怖い怖い!!何なの、この人。訳が分からないよ。
「ぎっ、銀時の婚約者だと…!?」
ヅラさんは私に勢いよく近づいてきて手をぎゅっと握ってきた。
「銀時の事で悩みがあったら、いつでも相談に乗ろう。是非俺を頼ってくれ」
「あっ、はい。ありがとうございます」
ヅラさん…ちょっと変わっているけど良い人そうだ。少しだけホッとしてヅラさんに笑い返すと、ぐいっと身体を引かれてヅラさんと引き離された。首を回して後ろを振り返ると、そこには銀時さんがいた。銀時さんは今にも射殺しそうな目でヅラさんを睨みつけていた。銀時さんがこんな表情をするなんて、珍しい。
「ヅラァ、お前金輪際響ちゃんに近づくな」
「何を言う銀時!!俺はただこんなちゃらんぽらん男に嫁ぐことになる響ちゃん殿は悩みが堪えないだろうと思って響ちゃん殿にああ言ったのだ」
ヅラさん、普通に良い人じゃない。どうして銀時さんは私とヅラさんを近づけたがらないのだろう。
「響ちゃん、コイツはなァ人妻好きの変態だ。だから近づくな」
「絶対に近づきません」
それは近づきたくない。まだ結婚はしてないから正確には人妻ではないけれど、ヅラさんからしてら私は人妻予備軍であり、人妻も同然なのだろう。…人妻言い過ぎて何がなんだか分からなくなってきた。
「人妻好きじゃない寝盗られ好きだ」
「尚更質が悪いじゃないですか」
「ホントだよ。お前もう侍やめろよ」
「お前たち、いつまでもふざけてないでこれからどうするか決めよう」
九兵衛さんの鶴の一声でこれからどうするかを考えることになった。まずは島からの脱出方法と脱出するまでの生活方法を考えようと言う九兵衛さん。すごい、九兵衛さんこんなことになったのに凄く冷静だ。
「いや、まずはリーダを俺に決めておいた方が良いだろう」
「なんで最初からリーダーがお前に決まってんだよ。まずはリーダーを決めるリーダーを考えよう」
それは必要ないと思う。というかリーダーって必要かな…。皆しっかりしてるし大丈夫そうだけどな。
とりあえず今日のところは食事班と寝床班、探索班、人生のカーテンを閉めるカーテン係の四つの班に別れることになった。
「ハイ、私食事班が良いです。腕によりをかけるわ」
「じゃあ私も食事班に回りますね」
食事班に立候補した志村さんに続いて私も食事班に立候補すると、銀時さんがガッと私の肩を掴んで真剣な顔つきで私を見てきた。
「どうしましたか、銀時さん」
「響ちゃん、絶対にお妙の料理は味見するなよ」
あまりにも真剣な顔つきをするものだから、銀時さんの勢いに押されて頷いてしまった。そして頷いた後で不安になった。志村さん、一体どんな料理を作るのだろうか。銀時さんは基本的になんでも食べてくれるし、食べ物の事で文句を言っている所は土方スペシャルを除いたら見たことが無い。もしかしたら志村さん、土方さんみたいになんでもマヨネーズを掛けたりするタイプの人だったりするのかしら。う~ん、それは確かに味見はしない方が良いかもしれない。