Case2
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コナン君に続いて別荘に入る。消化活動のためにあちこちが水浸しだ。しゃがむときはロングスカートが水に濡れないように気を付けよう。
消防隊員の説明を受けて頭の中で情報を整理する。
発火時刻は2時50分頃。近所の別荘に居た人が発火した事に気付いていたらしい。最初は焚き火をしていると勘違いしていたらしいけれど途中で火事が起こっていると気が付いたのだろう。やけに消防車が到着するのが早いと思ってけれど、そうか、その人たちが通報したのか。良かった、先に通報してくれていて。
それから火元はリビングで、消防隊員さんの見解は誕生日ケーキについている消し忘れたローソクの火が何かの拍子に床に落ちて、そこに散らばっていたプレゼントの包装紙か何かに引火したのではないかとの事だった。ろうそくは根元の方まで燃えていたので、ろうそくの火を消し忘れたことは間違いないそうだ。けれど早坂さんは間違いなく火を消したと言っている。
「消し忘れたんじゃないとしたら、もう一つ可能性がありますな…。リビングにいた麻美さん本人が点けたという可能性がね…」
小五郎さんの言葉に皆が固まるけれど、私にはそうは思えなかった。見た所どのろうそくも同じくらいにろうが溶けている。麻美先輩がわざわざろうそくに火を点けなおすとは考えにくい。そんな事をする意味もない。もし意味があるとしたら、誰かに放火の罪を着せたかった、とか…。でも麻美先輩がそんな事をする人には思えない。
「さくら!!」
「コナン君?何?」
「確かめたいことがあるから、駅前のコンビニに行きてぇんだけど」
コナン君の言葉に首を傾げる。何を確かめに行くんだろう。それよりも。
「コナン君、コンビニまではちょっと遠いよ?走っても15分はかかると思う。小五郎さんに車出してもらう方が良いんじゃない?」
コナン君は私の言葉に渋い顔をした。
「おっちゃんは俺が時間に首突っ込むのを嫌がるから頼れねぇんだよ」
「確かに」
宮崎千夏さんがバイクで来ていたことを思い出して、千夏さんに借りに行く。コンビニに行きたいから貸して欲しい、と頼むとすんなり貸してくれた。優しい。
「何か買いたいものでもあるの?」
「実は…」
耳元でこっそりと言うと、千夏さんは納得してくれた。
「それは分かるわ。気持ち悪いものね」
コナン君に借りれたことを伝えると不思議そうな顔をしていた。
「オメェなんて言ったんだよ。千夏さんが気持ち悪いって…」
「女性にしか分からないことだよ。ほら、バイク出すからコナン君も乗って」
コナン君は教えてもらえなかったことに不満そうだけど、ごめんね流石に言えないよ。別荘のトイレは水浸しで使えないから、ナプキンを換えにコンビニのトイレに行きたいって言ったことなんか。千夏さんも嘘ついてごめんなさい。
コンビニに着くとコナン君はすぐにバイクから降りた。
「さくら、ちょっとケーキ買っといてくれ!!」
「え」
コナン君は戸惑う私を気にすることなく、コンビニの前で仕事をしていたらしい店員さんに話しかけていた。
「え?3時頃ここに来た客?」
何を話しているんだろうと気になりつつもコナン君に言われた通り、ケーキを買う。ショートケーキで良いか。それにしても何でケーキ?多分トリックの一環何だろうけど…。店を出ると、店員さんは憤慨したように喋っていた。
「ああ、ボウヤの言う通りさ!あの人、せっかく俺が『それじゃ逆だ』って注意してんのに聞きゃしねーし…。おまけにベトベトしたものつけやがるし…」
コナン君何を言ったんだろう?コナン君はまた何かを言った後店員さんにお礼を言うと、バイクに飛び乗ってきた。
「コナン君、もう良いの?」
「あぁ」
「うん、分かった」
エンジンをかけるとコナン君はぎゅっと私の腰に腕を回した。…コナン君とバイクに乗るの、新一君がコナン君になって以来だな…。なんだか、コナン君が小さくなった事が随分前の事のように感じる。
「早く新一君に戻れると良いね」
驚いたような雰囲気のコナン君の返事を待たずにバイクを出した。
別荘に着くと、またもやコナン君は別荘の中に飛び込んでいった。土足は駄目だよ、という私の言葉は聞こえていたかな。まぁ良いや。私もバイクから降りてコナン君について行く。千夏さんにお礼言わなくちゃ。
リビングに行くと、小五郎さんの荒げた声が聞こえてきた。
「この火事が本当に麻美さん本人が点けたものだとしたら…」
小五郎さんは突然椅子に崩れ落ちた。どうやらコナン君が眠らせたらしい。と、言うことは…。
早坂さんが小五戸惑ったように郎さんに声を掛ける。けれど小五郎さんは、というよりコナン君はそのまま話を続ける。
「…と思うでしょ?だが真実はそうじゃない…。麻美さんは加害者ではなく被害者だ…」
「ひ、被害者?」
「ええ…麻美さんは焼殺されそうになったんですよ…。貴方方のだれかにね…」
コナン君はこの事件の真相を見抜いたらしい。