Case2
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「あ」
部活終わり。主将の予定があるとかで稽古が早く終わったため、私の相棒の紗和ちゃんと共にタピオカを飲みに行くと、思いもよらない人物に会った。快斗君だ。
「さくらじゃん」
「快斗君。こんにちは」
「快斗、知り合いなの?」
不思議そうな顔をして快斗君を見上げる可愛らしい女の子。快斗君の彼女さんかな。
「まぁ、知り合いというかダチだな」
あ、嬉しい。快斗君私の事友達だと思ってくれてたんだ。彼女さんは興味津々、といった様子で私の事を覗き込んできた。
「へ~、快斗にこんな可愛いお友達がいるなんて青子知らなかった!私、中森青子っていうの!よろしくね!」
「こんにちは、朝倉さくらです」
「どうも、山咲紗和です」
「俺、黒羽快斗ってんだ。よろしく、紗和ちゃん」
二人ともよろしくね、とニコニコと可愛らしく笑う青子ちゃん。なんか誰かと似てるような気がするな。そう思って首を傾げていると紗和ちゃんにくい、と制服の裾を軽く引っ張られた。
「なんか、工藤君と毛利ちゃんに似てるよね、二人」
「あぁ、それだ」
紗和ちゃんの言葉に納得する。私たちの前で軽い言い争いをする二人はまさしく新一君と蘭のようだった。傍目からでも仲が良いことが分かる。青子ちゃんをからかう快斗君と、快斗君に文句を言う青子ちゃん。新一君と蘭とぴったり重なる。
「二人は付き合ってるの?」
「まさかそんなわけ!!」
顔を赤らめて必死に否定する二人。あぁ、お互いの事が好きなのに素直になれないんだなぁ。本当に、新一君と蘭の関係にそっくりだ。
「あ、そうだ。さくらたちは何飲むか決めてんのか?まだ頼んでないだろ?」
ホラよ、といって渡してきてくれたのはメニュー表だった。快斗君優しい。ちらりと紗和ちゃんの顔を見る。紗和ちゃんの快斗君に対する好感度がめちゃめちゃ上がってるっていうのが目に見えて分かる。
「ん~、どうしよ。やっぱタピオカミルクティーかな。さくらは?」
「ん~私も同じのにしようかな」
「分かった。ちょっと待ってろ」
え、と快斗君の言葉を理解する前に快斗君は買いに行ってしまい、もう注文していた。快斗君、ついでに私たちの分も買いに行ってくれたんだ。快斗君優しい。
「凄い、青子ちゃんの彼氏スパダリだね」
紗和ちゃんが青子ちゃんに話しかけると青子ちゃんは真っ赤になってあわあわと否定の言葉を口にした。付き合ってないとか、ただの幼馴染だとか。
「それに快斗は…」
少し俯きがちになった青子ちゃん。う~ん、二人は二人で何かあるみたい。幼馴染カップルはどうしてこう障害が多いんだろう。
「ほらよ。買ってきたぜ。紗和ちゃんとさくらの分だろー、あと青子はこれだろ」
「わぁ、ありがとう快斗!!」
ありがとう、とお礼を言って財布を出そうとするとその手を快斗君に止められた。
「あ~、良いよ良いよ。俺の奢りだから」
「え、良いよ。そんなの悪いし」
「いや、そうしないとこっちの気が済まないから」
頑固な快斗君にどうしようか、と迷ったけどここまで言うってことは素直に奢られた方が良いんだろうな。
「ありがとう、快斗君」
「私も。初対面なのに奢って貰っちゃって、ありがとう」
「いや、全然気にすんなよ」
さくらには申し訳ないことしたしな…、という快斗君の小さな声が聞こえて首を傾げる。快斗君に私何かされたっけ、とここ最近の事を思い返してみる。快斗君に会ったのなんて
「あ」
私の漏れ出た声を拾ったらしい紗和ちゃんが不思議そうな顔をしてを私を見てくる。私は何でもない、と首を横に振って笑う。そう言えば、この前、園子の船上パーティーに行った時、怪盗キッドに眠らされたんだった。その時に怪盗キッドが快斗君だ、と直感で分かっちゃったんだった。そうか、そういえば快斗君は怪盗キッドなんだっけ。そう考えるとこのタピオカは事情を説明できなくても、快斗君なりの謝罪の気持ちなのかな。そう考えると急に快斗君が可愛く思えてきた。
「快斗君、良いよ。許してあげる」
タピオカを一口飲んで笑うと、快斗君は驚いた顔で私を見てきた。ちゅー、とそのままタピオカを飲んでると、快斗君は少し迷った末にありがとう、とごめん、と言った。
快斗君、本当に優しい良い子なんだなぁ。なんで怪盗なんてやってるんだろう。
快斗君、そしてそのまま仲良くなった青子ちゃんと連絡先を交換する。メッセージアプリを開いた時、園子からメッセージが着ていた。なんだろう。メッセージ開ける。
『帝丹中の元生徒会長、内田麻美先輩、覚えてる?今晩その麻美先輩の誕生日会に参加する事になったんだけど、さくらも来ない?麻美先輩がさくらに会いたがってるからさ、空いてたら来て~』
内田麻美先輩。
その名前にドクリと心臓が音を立てる。覚えてる。忘れられない。
『どうして私が』
あの燃えるような熱量は、今でもはっきりと覚えている。