Case1
夢小説設定
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
私と新一君はバイクで工藤家まで向かった。新一君は私の後ろに座っていたが、バイクから落ちないようにするために腰に捕まって、と言ったら恥ずかしがっていた。その様子が可愛くて笑ったらちょっと怒られてしまった。
「新一君、着いたよ」
新一君がバイクから飛び降りるのと同時に聞こえてくる爆発音。住宅街から聞こえてくる音としてはふさわしくないが、発明家の家からだと考えれば不自然ではないかもしれない。…漫画的だとは思うが。
新一君の隣の家に住んでいる自称天才発明家の阿笠
「あ、阿笠博士…」
新一君は阿笠博士の姿を見てポツリと声を漏らす。するとその声に反応した博士は新一君を見るや否や途端に怪訝な表情をした。
「ん?なんじゃお前は…?さくら君の親戚か何かか?」
「俺だよ、俺!!新一!!」
「なんじゃ、新一の親戚の子か…。そういえば、小さい頃の新一によく似とる」
「ちがう俺が新一なんだよ!!」
ニコニコと笑う博士にわたわたと説明する新一君。何を言っても博士は信じなくて、新一君が薬で小さくなった、と馬鹿正直に話すと怪しい小僧呼ばわりする始末。二人の様子が面白くて傍観していると、新一君は私のコートの裾を引っ張ってきた。
「なぁ、さくらからも言ってくれよ!!」
「さくらくん、なんなんじゃこの怪しい小僧は!!」
「だから新一君だって」
「さくらくんまでワシをからかおうって言うんじゃな!?その手には乗らんぞ!!」
博士は全く信じない。まぁ確かにこんな事を言われてアッサリと信じる方がおかしいとも言える。
「博士」
私は博士を手招きする。顔を顰めている博士に耳打ちをする。
「ホームズの話題をふれば新一君かどうかは一発で分かるよ」
「な、なるほど…」
博士は納得した表情を見せたので少し安心した。それにしてもやはりホームズ=新一君という方程式が成り立っているのだろうか。私も新一君だと分かったのはホームズのお陰なので、何はともあれホームズ様々である。
「え、えーっと、ホームズの宿敵」
「モリアーティー教授!!」
「…の腹心」
「モラン大佐!!」
食い気味に答えていく新一君。博士もこの食いつきっぷりは新一君だと見なしたらしく、やっぱり新一じゃったのか、と納得していた。…恐るべし、新一君のシャーロキアンぶり。
「まだ信じられんが、取り敢えず…。君の家の中でゆっくり聞こう…」
新一君の背中を押す博士に連れられて私達は工藤邸に入っていった。