Case2
夢小説設定
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
見るも無残な状態になった玩具たちに言葉も出ない。酷い…一体どうしてこんなことに。それよりも子供たちは大丈夫だろうか。こんなものを見てしまったらきっと大きなショックを受けるだろうに。
チラリと子供たちを伺う。確かにショックは受けていたが、大きな心の傷になるほどではなかったみたいだ。悲しそうな顔をしている吉田さんの頭を撫でる。顔を上げた吉田さんは少し驚いていたが、ふんわりと笑った。
「きっとコレを隠した人物が、僕たちを脅かそうとして…」
「違うよ!!博士とさくらはそんなことしないよ…」
驚いた顔で私を見たみんなに騙しててごめんね、と謝るとさくらは悪くねーだろ!と小嶋君が言ってくれた。みんな凄く優しい子だ。
「じゃーこれ隠したの博士とさくらさんだったんですか?」
「そう。一週間前に私と博士がこの別荘に隠しに来たの。皆と宝探しをするために」
私の言葉に小嶋君は冷や汗をかきながら呟いた。
「じゃーまさか博士とさくらが隠してから俺たちが来るまでの間に…」
「誰かがここに来たことは間違いないよ。私が宝箱につけてた鍵もなくなってるし」
「オメェ鍵なんてつけてたのかよ」
コナン君の言葉に頷く。鞄の中から鍵を取り出す。
「皆が私の謎を解けたらこの鍵を渡そうと思っていたんだ。だから皆があっさりと箱を開けちゃってびっくりしちゃった」
なるほどな、と呟いたコナン君に円谷君は不可解そうな顔をしながら問いかけた。
「でもどーしてその人はここに?」
「さあな!偶然ここに入って興味本位に入ったか、もしくは…最初から何かを探す目的でここへやってきたか…」
何かってなんだよ、という小嶋君にコナン君は図形に関係があるのかもしんねぇ、と言った。
「図形って、宝箱に描いてあるこの星みたいな図形の事??」
吉田さんは宝箱に描かれている六芒星を指さしながら尋ねる。私は慌てて吉田さんの言葉を否定する。
「それは私が描いた暗号だから関係ないよ」
「俺が言ってるのはオメーらが見つけた太陽と星と月が並ぶ奇妙な暗号のことだよ!」
「じゃあ、この星は関係ないのね」
「うん、偶々かぶっちゃったみたい」
吉田さんの言葉に肩を竦める。コナン君は顎に手を当てて考え込みながら呟いた。
「こりゃーひょっとするとマジでこの別荘には、どえれー宝が眠っているかもしれねーぜ」
コナン君の言葉に少年探偵団の皆はパァっと顔を明るくした。取り合えず先ほどまでの恐怖は無くなったらしい。
ガチャ、とドアが開く音がしたのでそちらを見ると、110番を終えたらしい博士が部屋に入ってくるところだった。
「で?警察は何て言ってた?」
「多分質の悪いコソ泥の仕業だろうって…。後日改めてここに調べにくるそうじゃ…」
とりあえずこれ以上現場を荒らさないためにもここから引き揚げようという結論に至った。子供たちに帰ろう、と声を掛けようと振り返る。しかし子供たちはそこにはおらず、部屋の中を色々と調べていた。
きっと宝を探そうとしているのだろう。確かに宝は気になるけど、危ないから引き上げよう。ここにいることの危険性を諭すコナン君の言葉に同意しようとした時、吉田さんが嬉しそうな声を上げた。
「あ、あったよコナン君!トランプの裏にもあの暗号が!!」
「ほ、本当か!!よーし、俺と歩美ちゃんは一階、元太と光彦は二階を手分けして探すんだ!!」
…どうやら、まだ帰らないらしい。楽しそうに笑う子供たち(コナン君を含む)を見ると到底そんなことを言い出せる雰囲気ではなくなってしまった。
部屋を出ていく子供たちに続いて部屋を出ようとした時、ガタリ、と窓が音を立てた。後ろを振り返ると博士も窓を見ていた為、博士に話しかける。
「今、窓から音がしたよね」
「うむ…そんな気がしたが…」
窓を開けて外を確認する。一応見たがそれらしき人影は見当たらない。
「気のせいか…。皆の元へ行こうかの、さくら君」
「う、うん…」
窓を閉めて部屋を出て行こうとした博士に続いて部屋を出ようとした。…でもやっぱり。
「私、ちょっと外の空気吸ってくるね」
そう告げて博士の元を離れる。博士が私を止めるような声が聞こえたが、私は走ってその場を離れる。
だって、嫌な予感がするから。こういう時には必ず何かあるから。