Case2
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「お前がコナンの言ってた『さくら』だな!俺小嶋元太!よろしくな、さくら!」
「僕は円谷光彦です!よろしくおねがいします、さくらさん」
「私吉田歩美!よろしくね、さくらちゃん!!」
「朝倉さくらです。よ、よろしく…」
わいわいとはしゃぐ少年探偵団達に衝撃を受ける。まさかの呼び捨て。いや、別に良いけれども、10歳も年下の子ども達に呼び捨てされる私って…。さん付けしてくれたの円谷君だけだよ…。
「今日は蘭おねーさんいないんだね!」
「あぁ、あのおっぱいでけーねーちゃんか!」
「ら、蘭姉ちゃんは今日部活だから!」
蘭はおねーさんなのに私はさくらちゃんか…。私もしかして、いやもしかしなくても舐められてる?そしてコナン君、小嶋君がおっぱいって言ったとき、気のせいでなければちらっと私の胸見たよね。確かに私は蘭みたいに大きな胸はないけれど、別に見る必要なくないかな?
バックミラー越しに見えているんだからね、という思いも込めて軽くコナン君を睨みつけると、コナン君はギクリと大きく身を強張らせた。
「ねぇ博士ー?ホントにこれから行く洋館に、宝物が隠されてるのー?」
吉田さんが後部座席から身を乗り出しながら尋ねると、博士は楽しそうに答えた。
「あぁ、ザックザクじゃ!!君らが知恵を絞って、見つけることができたらの話じゃがのー!!」
少年探偵団が行けば見つけたも同然、とはしゃぐ子供たちに申し訳なしが募る。博士、ザックザクとか言っちゃったら子供たち、お金だと思っちゃうかもしれないよ…。実際は博士と私が買いに行ったおもちゃなのに…。コナン君もそこら辺をもう既に見抜いているらしく、呆れた顔をしている。
「それにしてもやけに羽振り良いじゃねーか?このワーゲンも新車になってるし…」
コナン君から目を逸らしながら口笛を吹く博士をコナン君はジト目で見る。すっごい疑ってる顔してる。
「まさか博士…。とんでもねーメカを作ってを銀行を…」
「バ、バカ。そんな事するか!!」
コナン君の博士に対する信用はどうしてこんなに低いんだろう。結構昔からの謎だ。まぁ博士は人は良いし優しいけれど、普段はお茶目な人だからかな。優作先生のように新一君が憧れるホームズのような人ではないからかもしれない。
あれ、でも優作先生もかなりお茶目な方だな。
博士はどうやらボイスレコチェンジャーなるものを開発したらしい。自分の声を録音出来て、大人から子供の声まで出せるペンらしい。つまりコナン君が普段使っている蝶ネクタイ型変声器に、録音機能を追加したペンなのだろう。
コナン君も私と同じことを考えているのか、呆れた目でボイスレコチェンジャーを見下ろしていた。
それにしても、さっきから吉田さんの視線が気になる。じーっと私を見つめては何かを言いたそうにしているのだ。私は元来人見知りだ。だからそんな私が吉田さんに話しかけられるはずもなく、吉田さんが私を見てくる理由を聞くことができない。
あぁ、そういえば蘭も昔こういう目をしてたな…。あの頃の私は一番人見知りが激しかったから、碌に返事も返せなかったけど。
ふと、頭を過った人がいた。そういえばお兄ちゃんの親友に会った時には全く人見知りしなかったな。もうその人の顔も覚えてないけど。
「ほれ、着いたぞ」
博士の言葉にハッとして顔を上げる。そこには古びた如何にも雰囲気のある洋館が建っていた。博士の叔父さんがお金持ちって本当だったんだ、なんて考えた私は、大概コナン君の事をどうこう言えないのかもしれない。