Case1
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「よォ、姉ちゃん。工藤どこにおる?」
服部君は探偵事務所に入るや否やいきなり本題をぶつけた。その言葉に事務所に居た蘭と小五郎さんはポカンと口を開けた。当然だ。出会い頭にいきなりそんなこと言われたら誰だってそんな顔になるだろう。実際に先程私も、は?ってなった。
「はぁ?新一の居場所ぉ?そんなの私が知りたいわよ!!」
「どういうこっちゃ、まさかさくら、お前嘘吐いたんとちゃうやろな!?」
詰め寄ってくる服部君から私はそっと目を逸らす。
「…絶対会えるとは言ってないよ。ただ、小五郎さんは
そう言うと服部君は屁理屈や、と悔しそうな声を上げた。キチンと確認しなかった自分を悔いて欲しい。
「ひっくしょん!!」
くしゃみと共に探偵事務所に入ってきたのはコナン君だった。顔色も悪い。昨日電話したときには少し鼻声なくらいだったというのに、そうとう悪化しているようだ。
「大丈夫?はい、ティッシュ」
「うん、ありがと。さくらねーちゃん」
「やだ、コナン君も風邪?―ったくコナン君といい新一といい、風邪が流行ってるのかなあ?」
蘭の言葉に服部君はピクリと反応した。
「工藤が風邪…?工藤の居場所知らんのに、何であんたそないな事知ってるんや?」
「電話よ!さっき鼻声で電話してきたのよ、新一…」
蘭の言葉に服部君は食いついた。
「工藤がここに…?」
「そうよ!新一どっかに行っちゃった後もたまに電話かけてくるのよ!わるい?」
服部君はウーム、と考え込むとぽつりと言葉を吐き出した。
「やっぱりあんたが工藤の女っちゅう噂はホンマやったんか…」
その言葉にコナン君も蘭もものすごい勢いで食いついた。誰がそんなことを言ったんだと服部君を問い詰める二人に、服部君は私を校門で待ってる間に帝丹高校の学生に聞いたのだと何てことないように言った。
二人がお似合いなのは傍から見ても良く分かる。でも学校公認のカップルだということに少しだけ傷ついている自分がいた。なんて、こんな事考える方がおかしいけど。
「で?工藤と電話で何話してたん?」
服部君の言葉にハッと意識を戻す。服部君は蘭に向き直っていた。
「別にぃー。新一が最近読んで面白かった推理小説の話とか、Jリーグの事とか…。学校のみんなはどーしてるかとか…」
「それだけか?」
「そうよ!変な関西弁の男が来るなんて新一、一言も…」
「あんたのことは?」
服部君の言葉に私も蘭も思わずポカンとしてしまう。服部君、何が言いたいの…?
「ホラ、普通聞くやろ?『元気か?』とか?」
「…そー言えば新一…いつも自分の話ばっかりだわ…」
服部君が言いたいのは、自分の好きな人が元気にしているかどうか、気にならない人はいない。新一君が蘭が元気にしているのかどうか聞かないのは、新一君が蘭の事をこっそり見ているからなのだとか。
確かに服部君の言うことは正しい。実際新一君はコナン君として蘭の傍にいるから。でもその言い方だと、新一君が蘭をストーカーしているように聞こえる。
「ど、どこで?」
慌てて窓に駆け寄る蘭に、服部君はどっかから覗いてるんやで!なんて言いながら蘭を揶揄う。
「そーいやーまだゆうてへんかったな…俺の名前は服部平次!!工藤と同じ高校生探偵や!!」
なんと服部君の正体は高校生探偵だったらしい。驚く私、蘭、小五郎さんを他所に、コナン君は一つくしゃみをした。
服部君曰く、新一君と服部君はいつも西の服部、東の工藤と呼ばれた仲らしい。
そんなの、初めて聞いたんだけど…。
服部君はコナン君に『風邪に効く薬』とやらをコナン君に渡しながら、言葉を続ける。
「そんな工藤が最近サッパリ音沙汰なしや…。新聞にも顔を見せへんし…。ウワサやと行方不明やっちゅうし…」
東は今は自分だ、と言おうとした小五郎さんに、蘭が言葉をかぶせながら服部君を問い詰める。
「用なんてあらへん!あいつに会うて確かめたいだけや…。工藤新一がホンマに俺と並び称されるような、男かどうかをな!!」