Case1
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ビデオを再生していると、コナン君もテレビを覗き込んできた。私達が部屋を出た7分前辺りを重点的に見る。先生が缶を取ったときに先生の缶と園子の缶が重なっているのが見えた。なるほど、先程の推理が合っている可能性が俄然出てきた。
「ねぇ、おじさん!その缶に指紋がなかったの、警視さんだけ?」
「ああ…、あの梅宮って奴のもなかったよ…」
やはり園子と先生のレモンティーが入れ替わっていたと見て間違いないだろう。だがそこから先が分からない。状況的に見たら毒を入れられるのは高杉さんだろう。…いや、もしかしたら先生自身という可能性もある。
…そこから先が分からない。そもそも苛性ソーダってどういう毒なんだろ。
ちらり、とコナン君を見るコナン君はある程度読めてきたのか、一人で百面相をしていた。…やっぱりコナン君は凄いなぁ。
「警部!!こんなものを発見しました!!」
「ガラスのビン…?中に入っているのは、乾燥剤みたいだな…。間違いない!これは、犯人が苛性ソーダを入れていた容器だ!!あの薬は水に弱いからな…」
警部の言葉に首をかしげる。水に弱いことと乾燥剤が必要なことがどうして結びつくのだろうか。
「ねぇ、コナン君…」
「ん?何だよ」
「苛性ソーダって何?乾燥剤って?」
コナン君は一瞬キョトンとした表情を見せた。私がこうやって事件に入ってきたことが意外だったのかもしれない。私が事件に積極的に関わることは殆ど無いから。
「えーっと、水酸化ナトリウムっていえば分かるか?苛性ソーダってのは水酸化ナトリウムの別称なんだよ」
「あぁ…なるほど」
コナン君の言葉に私は漸く合点がいった。固体の水酸化ナトリウムは潮解性を示す。つまり、空気中の水蒸気を吸収し、やがて水溶液になるのだ。しかも水酸化ナトリウムは水溶液も皮膚を侵す。万が一にでも水溶液が漏れ出してしまったら危ない。だからこそ乾燥剤が必要なのだろう。
問題は先生と高杉さんのどちらがこの薬を入れたか、ということだ。
「ねぇ、この乾燥剤どこから見つけたの?……まさかこの部屋の…」
コナン君もきっと、私と同じ可能性を考えている。だからこの部屋にあるかどうか尋ねたのだろう。そうじゃないと良い、と思いながらも鑑識さんの言葉を待つ。
「廊下に置いてあるゴミ箱からだよ…」
「じゃーこの部屋の窓の外なんかじゃないんだね?」
「あ、ああ…」
ということは、入れられるのはただ一人だけ。犯人は、高杉さんだ。