Case1
夢小説設定
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
ショッピングを終えて工藤邸にやってきた私達は新一君のご両親が新一君にした『悪戯』話を聞いていた。
「へぇ…新一君完敗だったんだね」
「完敗じゃねーし」
「何言ってるのよ、新ちゃん。優ちゃんに完全に看破されてたくせに~」
「うっせーな」
コナン君の頬を突く有希子さんの手をコナン君は邪険に払う。コナン君はからかわれたことを根に持っているのかむすくれていた。
悪戯の内容は誘拐。
変装した有希子さんがコナン君のお母さんとして毛利探偵事務所を訪れて車の中に連れ込んだが、コナン君が機転を利かせて脱走することに成功。有希子さんから逃げたコナン君は毛利探偵事務所には戻れないので博士の家に向かうが、結局有希子さんに後ろから薬で眠らされてしまう。
廃墟に連れ込まれたコナン君は有希子さんと優作先生が寝た隙を見計らって脱出したように見せかける。起きた後で逃げたのだと判断した二人(実は優作先生はコナン君が逃げていないことに気がついていたらしい)は廃墟を後にする。コナン君は二人の話や残留物から二人の行き先を突き止めたところまでは良かったのだが、結局優作先生に見付かってネタばらしを食らったのだそう。
「私の携帯、使わなかったんですか?」
貸したのに使われていないな、と思って尋ねると有希子さんは深いため息を吐いた。
「それがね、新ちゃんが携帯を蘭ちゃんの家に忘れて行ってたのよー!せっかく新ちゃんに電話掛けて脅してやろうと思ったのに!!」
チッと舌打ちする有希子さんに私はハッと気がついた。もしかすると有希子さん達は私を誘拐したように見せようとしたのかもしれない。正義感が強い新一君なら必ず助けに来るだろうと踏んで。…携帯、使われなくて良かった。
というかそれよりも気になることがある。神社でコナン君が私に文句がある、と言っていたことだ。
「新一君、さっき私に文句があるって言ってたけど…。なんで?」
「あ?だってオメー紛らわしいメール送ってきてたじゃんかよ」
「『ご両親にはご注意を』だっけ?」
私がメールの内容を思いだしながら尋ねると、コナン君は噛みついてきた。
「そうだよ!!あんな言い方されたら工藤新一の両親じゃなくて迎えに来た江戸川コナンの母親かと思うじゃねぇか!!」
新一君の言葉に思わずムッとする。一応親切で忠告してあげたのになぜ私が責められなくちゃいけないんだ。確かに奇跡的に誤解が生まれてしまったけれども。わざとでは無いのに。それに、
「私ちゃんとご両親って書いたよ。迎えに来たのは母親だけならご両親にはならないと思うけど」
「おまっ…」
私の言葉に新一君は青筋を立てたので、仕方なく素直に謝る。
「まぁ何はともあれ、紛らわしい文章送っちゃったみたいでごめんね」
私の言葉にコナン君と有希子さんは固まった。
「あの…。さくら、怒ってる?」
「別に怒ってないけど」
おずおずと尋ねてきたコナン君にそう告げると、コナン君は冷や汗をかき始めた。
「そ、そうだ!この話にはまだオチがあるのよー!!」
「はぁ…」
唐突に話題変換した有希子さん。無理して笑っているように見えるのはきっと気のせいではないと思う。怒っていないときちんと告げたはずなのにどうしてこんなに皆焦っているのか。
「ゆ、優作ここにいないでしょ!それは仕返しに新ちゃんに出版社の方に告げ口されたからなのよ!!原稿ほっぽって日本に来ちゃったから海外の編集者たちが追いかけてきたのよ。
全く、呆れちゃうわよね」
「相変わらず優作先生はご多忙なんですね。一昨日会えて良かった」
時間の無い中私に会いに来てくれたことが嬉しくてつい頬を緩めるとコナン君にジロリと睨まれた。
「オメーまさか父さんに惚れてるんじゃ」
「いやいや、そんなわけないでしょ。ただのファンだよ」
「どーだか」
機嫌の悪いコナン君。どうしてそんな態度を取るのかさっぱり分からない。顎を手を当てながら考える。
「あぁ、そうか。新一君ファザコンだもんね」
思いついた答えにコナン君は顔を真っ赤にして否定した。
「ちっげーよ!!ファザコンじゃねーし!」
「え?私が知る限り、出会ったときから新一君はファザコンだったよ。あ、違うか。ファミコンか。有希子さんのことも大好きだもんね」
「あら~!新ちゃんったら~!!」
有希子さんに抱き付かれて押しつぶされながらももがもがと反論するコナン君。その様子が可愛くて私は相好を崩した。
コナンが冷や汗を流した理由
(真顔なせいで本当に怒ってないのかどうか分かんねぇ…)