Case1
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「―、さくら!!」
呼びかけられた声にハッとして私は慌てて身体を起こす。目の前には心配そうな顔をして私を覗き込んでくる蘭と園子が居た。
二人は私が目を覚ますとホッと息を吐いた。
「良かったぁー…。ずっと目を覚まさないから心配してたのよ」
「え?」
私は蘭の言葉に意識を失ったことを思い出した。周りを見渡すと、そこにはこちらを伺ってる目暮警部や数名の警察官が居た。私はどうやらソファーで寝ていたらしい。自身に掛かっている毛布を剥ぎ取りながら慌てて蘭に尋ねる。
「じ、事件は?」
私のその言葉に蘭と園子は顔を見合わせてニマッと笑った。
「ふふふ…実はねさくら…。この事件、なんと新一君が解決したのよー!!」
「…え?新一君?」
驚きの声を上げる私に園子は言葉を続けた。
「ま、なぜか奴は姿は現さずに声だけだったけどね」
「あぁ…」
新一君は今コナン君となって小さくなっているので当然人前に姿を現せるはずもない。大方変声機を使って事件を解決したというところだろう。
新一君の声が聞こえた気がしたのは私の気のせいでは無かったらしい。
「さくら姉ちゃん、大丈夫?」
ひょっこりとソファーの下から顔を覗かせたのはコナン君だった。心なしかコナン君の顔は少し赤くて、何故か少し戸惑ってしまった。
「う、うん…大丈夫。ありがとね」
しっかりと目を見て感謝を伝えると、コナン君はすっと目を逸らした。
「あ、うん…」
「ははーん…ガキンチョ。さてはアンタさくらに惚れたわね?」
園子の言葉に思わず苦笑いをした。園子は何かと話を恋愛方面に持っていきたがる。しかし新一君は私を幼馴染みとしてしか見ていないだろう。
「いや、それはないよ」
「え゙」
否定した私にコナン君は思いっきり固まる。どうしたのかと思って視線を向けると、コナン君はホッとしたような拗ねたような不思議な表情をした。
「はぁ~罪な女ねー!!」
「…それ私のことじゃないよね?」
「他に誰が居るのよ」
園子の言葉に私は思わずムッとする。それではまるで私が悪女みたいではないか。否定できない、とばかりに渇いた笑い声を上げるコナン君のほっぺを引っ張っておいた。
「ほれ、それそれ帰るぞー」
目暮警部の言葉にハッとした私達は慌ててカラオケボックスを後にした。
「本当に…ありがとね、新一君」
コソリと蘭と園子に聞こえないようにコナン君に耳打ちする。コナン君は何のことか分かっていなさそうだったが、それでも良いと思った。
また、救われちゃったね。
私の頬が緩んでいたのはきっと気のせいじゃ無かったと思う。