公募作品(2)

貴方の初恋は、誰ですか?

この質問に私が素直に答えるとすれば、それは年の離れた近所の幼馴染。
六歳離れたその男の子とはお互いの家族同士が仲良く、弟が彼に懐いているという事もあり、よく三人で遊んでいた。
同い年の男の子とは違い、まだ子どものはずなのに物静かで落ち着いた印象の彼は、私の目から魅力的に映り、日々想いを募らせて過ごしていた…けれど。

彼が大学生となって、想いが一変した。

それは、ある時私の家に遊びに来た彼のお母さんからの言葉がきっかけ。
「今あの子大学に行って一人暮らししているのだけど…彼女出来たみたいでね~。」
何て事の無い様に話され表面上はにこやかに対応していたけれど、中学生だった私の心は真っ二つどころか粉々に砕かれ、その夜泣き通してしまい翌日見事に顔が土偶になった姿を見た家族全員から心配された。
本人に打ち明ける事無く終わった恋…それは、深く私の心に刻まれて、それ以来私は気になる人がいても、他の人の物になるのを恐れて手を出す事さえ出来ない恋に臆病な女になり、そこから先は自分の心が更に傷付くのを恐れて、彼の近況を耳に入れる事はしなかった。

私の初恋は終わった、そう思っていたのに。
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