剣士の定め外伝
海、山、プール…など、関連ワードは数え切れないほど存在する。
が、その言葉たちを吹き飛ばすとんでもない存在感を放つものがあることを忘れてはならない。
それは――――――――
「お、終わらない…。」
自分の勉強机に突っ伏して三絵は呟いた。
8月31日 午後14:00
刻々と登校日の足音が聞こえてくるような幻聴さえ聞こえる気がした。
「なんで、宿題って毎年こんな苦労するんだろうね…。」
「そんなこと言っている暇があるなら集中しなさい。」
芽衣が厳しく突き放すが、自身も宿題をやっていている。
「まあまあ、今日は皆お互い様だからしょうがないよ。」
と林檎が二人をなだめる、やはりその手元は宿題をやっている。
この三人、今日は三絵の家で宿題の追い込みである。
ちなみに三絵がやっているものは算数のドリル、芽衣がやっているものは歴史の人物に関する作文、林檎がやっているのは自由研究だった。
「これが終わったら遊ぶ約束もしてもらえたし、頑張ろう!」
「あーマジで林檎って癒し…。」
「分かったら手を動かす!」
「芽衣さん、もうちょっと応援とか…。」
そんなことを話しながら各々宿題を進めていった。
ちなみに雲流丸は完全に蚊帳の外状態で、下のリビングで三絵母と一緒にテレビを見ていた。
『暇でござるな…。』
石野原家は三絵以外霊を視る人はいないので、雲流丸は話し相手が三絵しかいないのだった。
8月31日 午後17:00
「…で。」
芽衣と林檎はもうすでに終わりあとは三絵の宿題の終わりを待つのみとなった。
しかし、この期に及んで重大な問題に気付く。
「何そのほこり被った国語のドリルは?」
芽衣が眉間にしわを寄せて、三絵に質問した。
「「「………。」」」
三人の中で少しの静寂が訪れて、三絵が最初に言った一言は。
「てへぺろ♪」
すぐさま芽衣が掴みかかろうとして林檎が取り押さえる。
「三絵、今年こそはこんなことが無いって断言していただろ!!」
「芽衣ちゃん落ち着いて!血管が切れちゃうよ!!」
「林檎さん、焦点はそこじゃないです…。」
ちなみに去年も一昨年もこんな感じで、三絵の宿題を二人が手伝う形で終わらせていた。
「あーもーケンカしても始まらない!とっととやるぞ!!」
と、国語ドリルのほこりを片づけながら芽衣は宣言した。
「…芽衣さんって悪い人に引っかかったら大変そうだよね。」
「うん、でもまさに今芽衣ちゃんにとって三絵ちゃんが悪い人になっているから気を付けようね。」
「はい、すみません。」
さらりと毒を吐かれ、三絵は反射的に謝罪の言葉を述べた。
8月31日 午後18:30
国語のドリルを終わらせて、三人はぐったりと部屋で休憩していた。
「お、終わった…。」
「どうにかなるもんだね。」
「…中学に上がったら絶対付き合わないから。」
本当すみませんと本日何回目か分からない謝罪を三絵は二人に言った。
そこで、部屋をノックする音が聞こえた。
「三絵、アレの用意が出来たけどもう大丈夫?」
三絵母の声が聞こえて、三人は一斉に体を起こした。
8月31日 午後17:00
「それっ!!」
「わ~綺麗だね!」
「うん…。」
勢いよく吹き出る手持ち花火の綺麗さに三人ははしゃいでいる。
宿題の後は決まって、三絵母が石野原家の庭で花火を用意して三人で手持ち花火をするというのがお決まりになっている。
「あ、消えた。」
燃えた手持ち花火をバケツに入れると、三絵は新しい花火を出しに行った。
花火の入っている袋の近くに雲流丸がいて、静かに花火を見ていた。
「…すごいでしょ?」
皆が近くにいなかったので、こっそり話しかけた。
『そうでござるな、前にここで見た打ち上げ花火も見事なものだったが、こういったものも悪くない。』
「とか言って、最初打ち上げ花火の音を聞いた時は怖気づいていたのに。」
『あれは…仕方のないことで。』
その一言がきっかけだったのか雲流丸も三絵をからかってきた。
『そういえば、宿題とやらは大変だったようで。』
「あ…うん。」
『下の階にも筒抜けで、母上殿がおろおろして』
「さぁて、新しいやつを取ろうかなー」
これ以上はまずいと思ったのか三絵は早々に退散した。
その晩、三人は花火を使い切るまで遊んでいった。
9月1日 午前7:10
「三絵、時間は!?」
「やばい、寝過ごした!!」
生活リズムは早めに直しておきましょう。
が、その言葉たちを吹き飛ばすとんでもない存在感を放つものがあることを忘れてはならない。
それは――――――――
「お、終わらない…。」
自分の勉強机に突っ伏して三絵は呟いた。
8月31日 午後14:00
刻々と登校日の足音が聞こえてくるような幻聴さえ聞こえる気がした。
「なんで、宿題って毎年こんな苦労するんだろうね…。」
「そんなこと言っている暇があるなら集中しなさい。」
芽衣が厳しく突き放すが、自身も宿題をやっていている。
「まあまあ、今日は皆お互い様だからしょうがないよ。」
と林檎が二人をなだめる、やはりその手元は宿題をやっている。
この三人、今日は三絵の家で宿題の追い込みである。
ちなみに三絵がやっているものは算数のドリル、芽衣がやっているものは歴史の人物に関する作文、林檎がやっているのは自由研究だった。
「これが終わったら遊ぶ約束もしてもらえたし、頑張ろう!」
「あーマジで林檎って癒し…。」
「分かったら手を動かす!」
「芽衣さん、もうちょっと応援とか…。」
そんなことを話しながら各々宿題を進めていった。
ちなみに雲流丸は完全に蚊帳の外状態で、下のリビングで三絵母と一緒にテレビを見ていた。
『暇でござるな…。』
石野原家は三絵以外霊を視る人はいないので、雲流丸は話し相手が三絵しかいないのだった。
8月31日 午後17:00
「…で。」
芽衣と林檎はもうすでに終わりあとは三絵の宿題の終わりを待つのみとなった。
しかし、この期に及んで重大な問題に気付く。
「何そのほこり被った国語のドリルは?」
芽衣が眉間にしわを寄せて、三絵に質問した。
「「「………。」」」
三人の中で少しの静寂が訪れて、三絵が最初に言った一言は。
「てへぺろ♪」
すぐさま芽衣が掴みかかろうとして林檎が取り押さえる。
「三絵、今年こそはこんなことが無いって断言していただろ!!」
「芽衣ちゃん落ち着いて!血管が切れちゃうよ!!」
「林檎さん、焦点はそこじゃないです…。」
ちなみに去年も一昨年もこんな感じで、三絵の宿題を二人が手伝う形で終わらせていた。
「あーもーケンカしても始まらない!とっととやるぞ!!」
と、国語ドリルのほこりを片づけながら芽衣は宣言した。
「…芽衣さんって悪い人に引っかかったら大変そうだよね。」
「うん、でもまさに今芽衣ちゃんにとって三絵ちゃんが悪い人になっているから気を付けようね。」
「はい、すみません。」
さらりと毒を吐かれ、三絵は反射的に謝罪の言葉を述べた。
8月31日 午後18:30
国語のドリルを終わらせて、三人はぐったりと部屋で休憩していた。
「お、終わった…。」
「どうにかなるもんだね。」
「…中学に上がったら絶対付き合わないから。」
本当すみませんと本日何回目か分からない謝罪を三絵は二人に言った。
そこで、部屋をノックする音が聞こえた。
「三絵、アレの用意が出来たけどもう大丈夫?」
三絵母の声が聞こえて、三人は一斉に体を起こした。
8月31日 午後17:00
「それっ!!」
「わ~綺麗だね!」
「うん…。」
勢いよく吹き出る手持ち花火の綺麗さに三人ははしゃいでいる。
宿題の後は決まって、三絵母が石野原家の庭で花火を用意して三人で手持ち花火をするというのがお決まりになっている。
「あ、消えた。」
燃えた手持ち花火をバケツに入れると、三絵は新しい花火を出しに行った。
花火の入っている袋の近くに雲流丸がいて、静かに花火を見ていた。
「…すごいでしょ?」
皆が近くにいなかったので、こっそり話しかけた。
『そうでござるな、前にここで見た打ち上げ花火も見事なものだったが、こういったものも悪くない。』
「とか言って、最初打ち上げ花火の音を聞いた時は怖気づいていたのに。」
『あれは…仕方のないことで。』
その一言がきっかけだったのか雲流丸も三絵をからかってきた。
『そういえば、宿題とやらは大変だったようで。』
「あ…うん。」
『下の階にも筒抜けで、母上殿がおろおろして』
「さぁて、新しいやつを取ろうかなー」
これ以上はまずいと思ったのか三絵は早々に退散した。
その晩、三人は花火を使い切るまで遊んでいった。
9月1日 午前7:10
「三絵、時間は!?」
「やばい、寝過ごした!!」
生活リズムは早めに直しておきましょう。