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おりじなるばこ
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第三章
「えっ…う、ひっく…。」
夕暮れ。
一人の少女が泣いていた。
しゃっくりをしながら、必死に声をあげないように唇を噛みしめて堪えていた。
大丈夫だ、もう少しすれば何事もなかったように帰れる。
ここにいれば見つからない、心配をかけない。
そんなことを思いながら、涙と鼻水まみれになった顔を下に向かせた。
すると。
「…だれ?」
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