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第4章


「はい集合~会議しま~す。」

翌日の朝、ゆるいテンションで話しかけられ、海賊達は各々のペースで集まる。
全員が集まり席に着くと、船長は持っていた紙を机いっぱいに広げた。
「これは…地図、ですか?」
マツリが口を開くと、うんそうと彼は頷き、手製の地図へ視線を落とす。
「大体の地形と、周りの様子…生息しているであろう動物たちについて書き記してある、各自確認しておいてくれ。」
到着は恐らく今日の昼くらいになるだろう、と次の話を持ってくる。
「無人島とはいえ、誰も通らないとは限らない…誰か一人船に残すつもりだが…。」
「あ、じゃあガーナいい?」
小さな手が伸び、アピールすると「おう。」と言葉が返ってきて彼女は満足そうに微笑む。
「食事は用意してやるが、食い過ぎるんじゃねーぞ。」
「そんなことしないもんっ!」
「え…ガーナちゃん、一人で大丈夫?」
自分よりも先に船にいたとはいえ、もし万が一他の海賊や動物に襲撃されたら一溜まりも無いのではと、考えマツリはガーナに聞くと。
「うん、一人でいることもあるよ…でも一人じゃないから、マツリは心配しないでおねぇちゃんのガーナに任せて!」
どういうことだろうか、とマツリは小首を傾げてその言葉の意味を考えようとするが、会議の議題が他へ移ってしまったので、それは出来なかった。
「船にガーナがいるからそこは問題無いとして…一応、この島は小さいが何があるか分からない、明日は団体行動で動くぞ。」
特に、と船長はマツリへ視線を向ける。
「マツリちゃんとその目…ミツメには働いて貰うことになるから、到着までしっかり休みな。」
楽しい時間になるぞ、と笑う彼を見ていつかの海中探索の思い出が蘇り、覚悟を決めて口内の唾を飲み込んでからマツリは「はい…。」とゆっくりと頷いた。
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