第4章


「しっかり虫除けの香水と日焼け止めのお薬を付けて…と。」
目的の島が見えてきて、マツリは何となく気忙しくなり、辺りをうろうろしているとサナに呼び止められ、そのまま薬やら香水やら付けられている。
ちなみにどれもメソドが作ったものらしく、後で気になるなら貰った方がいいとアドバイスもされた。
「まず何を準備するのか…初めての事だもの、何も分からなくて当然よね。」
「ありがとうございます、サナさん。」
いいえ~と柔らかな笑みでこちらを見るサナだが、すぐにそれは堅いものへと変わる。
「わたしも初めての時苦労したわ…見慣れない虫や蛇を近くで見ることも多々あるし、他の海賊との宝の取り合いだって時にはあるし…予想外なことがいっぱいで。」
話を聞いていると、何だかやはり一筋縄ではいかない経験をいっぱいしたのかな、とマツリは内心冷や汗が流れるような気分だったが「でも。」と彼は付け加えた。

「その分、精神力とかは鍛えられるかしらね。」

「せいしんりょく…?」
聞き慣れない言葉に思わず聞き返すと「きっと経験したら分かるわよ。」とにやりとした表情で返された。
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