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第3章


「無い。」

平和な日々が続く航海、その最中唐突にサナから発せられた簡潔な一言。
何が、とマツリが質問する前よりも先に小さなその呟きに周りの海賊たちは反応する。
一斉にサナへと注がれる視線に思わずマツリ自身も固まった。

「…そろそろ尽きるわ、レッドゾーンよ。」

重く、低いその声。
いつも中性的な声で場を盛り上げる彼にとって珍しいその声音に緊迫感が漂う。

「生活費が…まずいのよ…!」

切実なその一言が、海賊たちの憩いの場である船内の食堂で響いた。
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