第2章
その後、船へと戻ってきたマツリはメソドに誘われるまま、船の倉庫へ来ていた。
「…これだったな。」
そう言ってメソドは埃被った布の塊を持って、マツリに差し出した。
「これは…えっと。」
「昔、船長の部下が使っていたものらしい。」
布取って見てみろと視線で促され、マツリはそっと布を取って見ると、朱色に輝く槍が現れた。
使い古されたとは思えないような、綺麗な形に一瞬見惚れるがハッとしてメソドに伝える。
「メッ、メソドさんこれ…頂けないですよ!?」
「何で?」
「だってこんな…明らかに前の持ち主の人大事に扱っていたような代物じゃないですか!?」
確かにメソドが良いだろうと差し出した程にはマツリの身長にも合っていて、使いやすそうなものだったが、その芸術品の様な形から畏縮してしまったようだ。
「いい。」
「で、でも…。」
「ここに在るのは、どれも持ち主が居なくなった奴ばかりだからな。」
…居なくなった?
その言葉に少しの冷気を感じたマツリは、口を止めた。
「ま、盗品も交じっているが。」
返そうとしたその武器をぐいと突き返し、力強く「君が持て。」と言われた。
その行動に、マツリは先程より重みを感じるそれをゆっくりと大事に受け取る。
「もし合わないようだったらすぐに言って、調節する。」
「…メソドさん、何者なんです?」
つい口に出してしまったが、メソドは目を合わせず話を逸らす。
「あと、オレは自分の手を見られるのは嫌いだ。」
唐突に何を言い出すのかと首を傾げたが、マツリは出会いを思い出して理解した。
「あっ…。」
「見透かされるっていうのは正直気分が悪い。」
先に倉庫に出ようとするメソドの後ろ姿にマツリは衝動的に「教えてくれて、ありがとうございます!」と伝える。
その言葉に返事は無かったが、彼はぼりぼりと頭を掻いてその場を後にした。
