第1章(前編)


「そんじゃ、今日もお疲れ様でした。」
「「「「お疲れ様でした。」」」」
「いただきます。」
「「「「いただきます!」」」」
一方こちらは海賊達の船、こちらも食事中のようだ。
「せんちょう~聞いてよ、ノイがさ…」
「うん、どうした~。」
「今日メソドやサナが許してくれたのにノイだけお菓子屋に行くのダメって言うんだよ、せんちょうからも何か言ってよ!!」
「お~そりゃあ大変だ。」
「……せんちょう。」
「何だ、ガーナ?」
「さっき言った内容言ってみて。」
「えっと…いつも通りノイと喧嘩したでいい?」
「もっと具体的に!」
「え~何ガーナのおやつ抜きにしたの?それとも…」
「やっぱり聞いてない!」
「仕方ないよ、ガーナ。俺らの船長はこんな人だ。」
「甲斐性無し。」
「加えてねぼすけ。」
「ちょっとなんで俺の悪口に発展してんの。」
「でも、今のは船長が悪いわねぇ。」
「そうだよ。」
「同感。」
「右に同じ。」
「何このこてんぱんぶり…。」

「ごちそうさまでした。」
「「「「ごちそうさまでした!」」」」
ノイの料理を食べ切り、各々自分の部屋や、仕事に行った。
その中、メソドが船長に声をかけた。
「そうだ、船長お話があります。」
「おお、ついに船員見習いから卒業したいと?」
「一言も言ってません。」
「じゃあ何、今日のガーナのおやつ買い過ぎて正直お金ピンチとか?」
「何でそうなるんですか。」
「……メソド、あたしメソドに無理させてた?」
「いや、大丈夫だって買う時に言ったじゃないか!」
「でも『男は見栄を張る為に好きな女の子に貢いじゃう。』って…。」
「…誰に聞いた?」
「サナ。」
「………。」
とりあえず何も言えずにメソドは立ちすくんだ。
「で、本題は?」
「それを貴方が言いますか。」
「え?」
「とりあえず、ガーナは今日もちゃんとお利口さんだったよっていう話。」
「えぇ?」
「さ、早く寝てね。」
「えぇぇ!?」
「お利口さんは早く寝て、明日いっぱい遊ぼうね。」
「…はぁい。」
と釈然としない顔で自分の部屋へ向かった。
「やっぱりなかなか聡い子だな、場の空気を何となくでも察しやがった。」
「そうですね、聞き分けのいい子ですよ。」
「これはうかうかしてられないぞ。」
「何がですか…。」
「子供扱いしていたら、いつの間にか…。」
「馬鹿な事言ってないで、俺の話聞いて下さい。」
そしてメソドはガーナに聞こえないよう声を潜めてこう言った。
「一応、サナやノイも呼んで下さい。重要な話ですから。」
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