第2章


思わない言葉にマツリはその足の歩みを止めてしまった。
(ガーナちゃんが、気持ち悪い…?)
そんなことは全く思ってもみなかった。

寧ろ。

(あたしが、じゃなくて?)

するりと手を解き、ガーナは顔を下に向けた。
「…見えているんでしょ?」
「え…。」
「ガーナでも分からない、色々なもの。」
「……。」
「…もう分かっているかもしれないけど。」
弱々しい声を出して、ガーナはこちらに伝えてきた。

「ガーナ…バケモノかも、しれないんだよ。」

その言葉を聞いたマツリは、幻術を解除して互いの姿を視れるようにした。
「…ガーナちゃん。」
「……。」
目を合わせようとしないガーナにマツリは視線を合わせるように屈んだ。
「み、見ないで…!」
「ガーナちゃん。」
静かに、マツリは付けている赤いバンダナを取った。
「何…?」
「…怖い?」
マツリは自分の額にあるミツメ…第三の目に指を指してガーナに問う。
「…怖い。」
「…うん、正直あたしも。」
正直な言葉にマツリは苦笑いで答えた。
「自分も怖いし、この目が持っている能力も分からないことだらけで未だに怖い…でも、一番怖いと思うのは。」
その言葉にガーナは自然とマツリに視線を向けていた。

「…他人、なんだ。」

ガーナが自分に視線を向けていることに気付くと、マツリは笑みを送った。
「あたし、昔はこのバンダナも無くて島の皆からバケモノ扱いされてた…と言っても、大人は表面上良くしてくれたけど…でも、同い年の子たちは…怖かったみたいで、仲良くはなれなかった…それで」
「いいよ。」
「……。」
「無理、しなくていいよ。」
話していて、マツリは少しずつ理解出来てきた。

自分たちは似た者同士だった、ということに。

目の前のガーナの表情がそれを物語っていた。
マツリはバンダナ越しにミツメを手の甲で小突いた。
「…コイツの所為で違う言葉で伝わっちゃったけど、ガーナちゃんに言いたかったのはね…本当にガーナちゃんと同じ言葉だったんだ。」
「え…?」
「あたしが怖い?って。」
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