第19章
体は男、心は女…ルルゥとの会話では、サナはそう答えていた。
しかし、厳密には違うと小さな声で話し始める。
「わたしは…昔ある出来事で、自分の性別を否定される様な場面を何度も経験したの。」
全てを話すには刺激的過ぎるので、掻い摘んで話す。
「その時々で、女である事を求められる事もあるし、男としていろって言われる事もあって…断る事も出来ない立場だったから、その都度対応していたけれど。」
自分が聞いていい話なのだろうかと今更ながら戸惑い始めたルルゥだが、周りの海賊達は気を遣っているのか、仕事に専念しているのか誰も自分達の事を気に留めてはいない様子だった。
「結果的に、どの自分が正解なのか分からなくなってしまったの。」
その言葉に聞いていたルルゥは言葉を失う。
自分も他の人魚達に見た目からか勝手に幻想を抱かれ、可愛くある事を押し付けられ本当の自分を見て貰えない末にこうして家を出てきた訳だが、サナはより多くの願いに対応してしまった結果こうなったと…器用だと思っていた長所も器用過ぎて反って自分を苦しめる結果になってしまったとそこでやっと分かる。
「貴方には今よりも強くなりたいって理想があるでしょ?」
にこりと微笑を向けられ、ルルゥはドキリとした。
「は、い…。」
「わたしにはそれが羨ましい。」
言葉こそは綺麗だが、そこに含まれた感情はそれだけでは無い事を今では理解出来る。
「わたしはまだ答えを持てていないなりたい自分を明確に持てている貴方が―羨ましいのよ。」
微笑している顔はそのままなのに、何故かその顔は堪らなく泣きそうな表情に感じた。
しかし、厳密には違うと小さな声で話し始める。
「わたしは…昔ある出来事で、自分の性別を否定される様な場面を何度も経験したの。」
全てを話すには刺激的過ぎるので、掻い摘んで話す。
「その時々で、女である事を求められる事もあるし、男としていろって言われる事もあって…断る事も出来ない立場だったから、その都度対応していたけれど。」
自分が聞いていい話なのだろうかと今更ながら戸惑い始めたルルゥだが、周りの海賊達は気を遣っているのか、仕事に専念しているのか誰も自分達の事を気に留めてはいない様子だった。
「結果的に、どの自分が正解なのか分からなくなってしまったの。」
その言葉に聞いていたルルゥは言葉を失う。
自分も他の人魚達に見た目からか勝手に幻想を抱かれ、可愛くある事を押し付けられ本当の自分を見て貰えない末にこうして家を出てきた訳だが、サナはより多くの願いに対応してしまった結果こうなったと…器用だと思っていた長所も器用過ぎて反って自分を苦しめる結果になってしまったとそこでやっと分かる。
「貴方には今よりも強くなりたいって理想があるでしょ?」
にこりと微笑を向けられ、ルルゥはドキリとした。
「は、い…。」
「わたしにはそれが羨ましい。」
言葉こそは綺麗だが、そこに含まれた感情はそれだけでは無い事を今では理解出来る。
「わたしはまだ答えを持てていないなりたい自分を明確に持てている貴方が―羨ましいのよ。」
微笑している顔はそのままなのに、何故かその顔は堪らなく泣きそうな表情に感じた。
