第19章

何の因果か、吹っ飛ばされた海賊達は「一人一人拾うのが面倒臭い。」と判断されルルゥと同じ様に網で引き揚げられた面々はずぶ濡れになりぐったりしている者もいれば気絶している者もいて、メソドが嫌々ながら手当に追われている。
「…あの人達には声聞かせて無かったの?」
「君達みたいに話し掛けてくる事も無かったし、捕まってすぐに口塞がれたから…。」
初めて会った人間がそんな対応なら心を閉ざしてしまうのもしょうがない、とマツリは彼の話を聞き同情するが、話した本人のルルゥは自分を攫った海賊達よりメソドを手伝うサナの後ろ姿をじっと見つめていた。
「…凄いなぁ。」
ぽつりと呟くその声と表情は真っ直ぐな感情が伺えて、マツリはルルゥがサナに向けるその気持ちは悪いものでは無いと感じ堪らず美形に声を掛ける。
「サナさん、代わります。」
唐突に声を掛けられ「え?」と首を傾げられるが、少し強引に持っていた手当の道具を貰う。
「代わるので…ルルゥくんと話してあげて下さい。」
「え、マツリちゃ」
「メソドさん、次何やればいいですか?」
すぐに行動に移され置いてかれたサナは、仕方なしに木箱にいるルルゥの元へ歩み寄る。
「―海水変えなくても大丈夫?」
半分人間とはいえ、新鮮な海水でなければ苦しいだろうと聞くと大丈夫ですと返事が来るが、その声はどことなく緊張していてサナは自分がしてしまった事に今更ながら罪悪感が湧いて来る。
次の言葉はどうしようかと考えていると「あの…。」と遠慮がちに声が掛かった。
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