第2章


「が、ガーナちゃん、このお菓子はどう?」
「…あんまり。」
「そ…そっか。」
「…。」
「あっ、これは?」
「こっちの方がいい。」
「そう、なんだ…。」
「……。」
買うように指定された食料、調味料の話を振っても、お菓子のことを話題にしても、2人のやり取りはこの様な感じだった。
少し話したと思えば黙り、また口を開いたと思えば黙りの繰り返し。
「正直キッツイ!腹にキリキリ来るね、目玉に腹は無いけれど!!」
「黙れ、お前。」
沈黙に耐えかねたのか、ミツメが急にしゃべりだしマツリはバンダナ越しに拳骨を見舞った。
「いいじゃん、ここ人いないし~。」
ミツメの言う通り、2人は今人通りの少ない裏路地を通っていた。照っていて暑さを感じる道を避ける為にひんやりしている行きとは違うこの道を選んだのだった。
「なー、嬢ちゃんはうちの娘の何が嫌い??」
「え…?」
「ばっ、お前…!」
予想外の言葉を放たれ、2人の少女は目を見開いた。
「だって気にしてただろ~?」
「だからって、今言わなくても・・・。」
「…言おうとしてたの?」
しまった、と思った時にはもう遅く、マツリがその表情を見ると明らかに失望の感情が表に出ている気がした。
「いや…その」
「…じゃあ、ガーナからも言わせてもらうけど。」
徐々に自分の体から血の気が引いていく感覚がした。

きっと。

きっとその言葉の後には。

(いやだ。)

否定されることは慣れている気でいた。
目の前のその小さな口が、自分の体をいとも容易く身を引き裂くことが可能であることを知ることになるのは。

(怖い!)

「――――――――あ」
ガーナが口を開いたその時だった。
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