第19章

「―マツリちゃんは嘘吐くの下手ね~。」
一連のやり取りを隣で宝石を漁りながら見ていたサナは呆れながら言う。
「うぅ…これでも得意だと思っていたんですけど。」
「まぁ気心知れた仲には筒抜けになっちゃうってコトね…時と場合によっては仇になるから気を付けなさい。」
素直さは美徳ではあるが、時には自分の立場を危うくすると教えられ「ズルさも必要なんですね…。」と何とも言えない表情を彼女はしている。
そんな彼女からほぼ無理矢理袋を開けさせた船長は海賊船とは別の小舟に乗っていた。
「それにしても…よくあんな重い物運べたわね、腕大丈夫?」
「何とか…たぶん子どもみたいだったので。」
マツリが何を運んできたのか、それは。
「おーい、そろそろ起きそうだから降りて来れる奴は来いよ!」
好奇心が抑えられない様子で声を掛ける船長に、付いていったメソドの溜息が聞こえそうだとその場全員が思う。
「…わたし興味無いから、マツリちゃん行ってらっしゃい。」
「あ、はい。」
興味無いと言うよりは、手元の宝石を見るのに忙しいのだろうなと考えつつ、マツリはガーナを誘い小舟へ移動する。

袋の中に居た、人魚に会う為に。
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