第18章

次に目を開けたら、天井が見えた。
これまで床で寝るか、座って寝るかしか無かったのに、俺の下には柔らかな物が何個か敷かれていて、それはクッションと呼ばれるものだと後で知った。
記憶が散らばっていて何故こんな知らない場所で寝ているのかと考えていると、じわじわと昨晩の出来事を思い出す。
「アイツは…。」
どかどかとデカい足音がこちらに近付く音がしたので、扉がある方へ首を傾けると。
「お、起きたか。」
両手が塞がれているからか足で扉を開けてきたその男は、昨日と変わらずこちらに笑みを向ける。
「ほい、朝飯…とりあえずやわらけーもんにしといたぞ。」
一応怪我人だからな、と近くにあったテーブルに置かれたものは、昨日とは違ったがまたこちらに食欲を湧かせるような匂いを放っていた。
言葉通りに動くのはムカつくが、それでも空腹には敵わない。
起き上がり、その用意されたメシを口に運ぼうとしたその時。
「ところで…お前、お金持ってる?」
聞かれて、手が止まる。
「―この身なりで金持ってるワケねーだろ。」
それもそうか、と顎鬚を触りながら考えた後、こう切り出される。

「じゃあここで働け。」

拒否の感情がそのまま行動に出て反射で手を出してしまったが「何も学ばねーなぁ。」と昨日の様に床に転ばされた。
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