第18章
これまでずっと勝ってきた訳では無かった。
最初は物乞いで貰った物を抱えて歩いていたら自分と似た様な複数のガキに殴られ、蹴られ、何もかも奪われたのが最初の敗北。
そこから、盗む様になり逃げる事を覚え、ケンカをして勝つ事を覚え、勝てる事が増え負ける事はあっても自分の体に負担が無い様なやり方で引き下がった。
けれど、あれは違う。
グループを出た最後、騙し討ちの形で俺は確かに負けたが、それでも自分で納得出来る形で終わった。
思い込みに近いが、真正面なら俺はリーダーを張れるくらいにはガキにも大人にも負けないつもりでいた、しかしそれをあっさりひっくり返される。
弱り切った状態だとしても、武器も何も無いのに簡単な動作一つで俺を下したソイツはまだ現実を理解出来ないでいる俺を乱暴に店の中に入れ、すぐ近くの椅子に座らされた。
「とりあえず、傷からどーこーしなきゃなんねぇな…血で床汚されても困るし。」
傷の様子を見てからその場を離れたと思えば、すぐ近くの調理場へ移動する。
逃げる時間はあっても、その時の俺は自分の中でありえない事が起きてしまいただぼぉっと座っていた。
そもそも腹が減り傷も負って体力も奪われた極限状態で、もうそれ以上動く事が出来なかった。
がちゃがちゃと音がすると思えば、俺が見た事も無い様な透明な水が入った入れ物と、真っ白い布がテーブルの上に置かれ、やや乱雑に傷の手当をさてる。
「…ッ。」
「我慢しろ。」
これで合っているのか向こうにも分からないだろうに、とりあえず砂まみれになっていた箇所は拭かれ、出血がまだ治まらない傷はタオルで当てる様言われた。
「医者も起きてる時間じゃねーから、素人仕事だ。」
まぁ明日にでもどうにかするか考える事だな、と言われても返事が出来ない俺に、さっきよりも強い香りが鼻に届く。
きゅ~…
店の中に入ったからだろう、明らかな飯の匂いに腹の方が先に反応してしまい、思わず居た堪れなくなって背中を丸くしてしまう。
「…俺のメシって思っていたんだがな。」
はぁ、と溜息を吐いてその男は匂いの元を出してきた。
最初は物乞いで貰った物を抱えて歩いていたら自分と似た様な複数のガキに殴られ、蹴られ、何もかも奪われたのが最初の敗北。
そこから、盗む様になり逃げる事を覚え、ケンカをして勝つ事を覚え、勝てる事が増え負ける事はあっても自分の体に負担が無い様なやり方で引き下がった。
けれど、あれは違う。
グループを出た最後、騙し討ちの形で俺は確かに負けたが、それでも自分で納得出来る形で終わった。
思い込みに近いが、真正面なら俺はリーダーを張れるくらいにはガキにも大人にも負けないつもりでいた、しかしそれをあっさりひっくり返される。
弱り切った状態だとしても、武器も何も無いのに簡単な動作一つで俺を下したソイツはまだ現実を理解出来ないでいる俺を乱暴に店の中に入れ、すぐ近くの椅子に座らされた。
「とりあえず、傷からどーこーしなきゃなんねぇな…血で床汚されても困るし。」
傷の様子を見てからその場を離れたと思えば、すぐ近くの調理場へ移動する。
逃げる時間はあっても、その時の俺は自分の中でありえない事が起きてしまいただぼぉっと座っていた。
そもそも腹が減り傷も負って体力も奪われた極限状態で、もうそれ以上動く事が出来なかった。
がちゃがちゃと音がすると思えば、俺が見た事も無い様な透明な水が入った入れ物と、真っ白い布がテーブルの上に置かれ、やや乱雑に傷の手当をさてる。
「…ッ。」
「我慢しろ。」
これで合っているのか向こうにも分からないだろうに、とりあえず砂まみれになっていた箇所は拭かれ、出血がまだ治まらない傷はタオルで当てる様言われた。
「医者も起きてる時間じゃねーから、素人仕事だ。」
まぁ明日にでもどうにかするか考える事だな、と言われても返事が出来ない俺に、さっきよりも強い香りが鼻に届く。
きゅ~…
店の中に入ったからだろう、明らかな飯の匂いに腹の方が先に反応してしまい、思わず居た堪れなくなって背中を丸くしてしまう。
「…俺のメシって思っていたんだがな。」
はぁ、と溜息を吐いてその男は匂いの元を出してきた。
