第18章

声のした方にちらりと視線をやると白い服に何やら汚れが付いた如何にも料理人みたいな奴がいた。
右手に小袋を持っていたのでここに捨てに来たと思われる。
面倒臭い、そう思いながらここ以外にゴミ捨て場も無さそうだった為、無視してそのままゴミを漁ろうとした。
「ちょい、そこ弄られたら困るんだけど。」
眉根を寄せてずいと近くに寄られるが、知ったこっちゃないと中へ手を伸ばす。
「んだから、困る…って怪我してんのか?」
更に距離を詰められ伸ばした手を掴まれたが、流石に煩わしくなり出来る限りの力でその手を払う。
それで引いて貰えば良かったのに、構わず話し掛けられ続ける。
「イキだけはいいな~さっきから無視決め込んでるけど、言葉分かってる?」
「…ッ、うぜぇな!」
ただでさえ痛みが続き腹も空いているのに、こんなダル絡みをされて流石にイラつきが最高値に上がった。
その勢いのまま拳を作り、相手の顔に向け伸ばす…が。

目の前にいたはずの相手が消える。

その光景が信じられないと目を見開いた瞬間、下から相手の手が俺の腕を掴みそのまま地面に叩きつかれた。
自分で仕掛けた癖にあっけなくやられた事を信じられず、地面で伸びて起き上がれずにいると「…しょーがねーな。」とその場から移動する為に片足をずるずると引っ張られた。
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