第18章

脱走されたから他の子どもに対しても警戒しているのかと思いきや、逃げ出すのは簡単だった。
しかし、ある程度走り続けていると逃げる事に必死になってしまい、自分が今後どうしたいのかをしっかりと決めないまま外に出た事に気付く。

…腹が減った。

ただそれだけ思い続けて外に出た。
だから、まず適当な食料品を漁ろうとぶらぶらとしていたら見慣れた後ろ姿が視界に入る。
「―――あ。」
こちらに気付いた先に逃げ出した子どもは、すぐにそこから逃げ出す。
きっと育て親が探す様に言われたとでも思ったのだろう、けれど俺はもうソイツへの関心は無くただ空腹を優先した。
足早に去ったソイツを尻目にゴミ捨て場らしき場所に辿り着いた俺は黙々と残飯を探していると、逃げた子どもが帰ってきた。
「…捕まえないの?」
明らかにおどおどしている様な口調だったが、それでも構わずに返事をする。
「別に、俺も逃げ来たから。」
ゴミ箱の中には手を汚しても残飯らしき物は一向に出なかったので、俺はその場から離れようとすると「待って!」と呼び止められた。

「オレ…匿って貰っているんだ、一緒に来る?」

特に行く当ても無かったので、言われるがまま付いていった先は、俺達より少し年上のガラの悪い連中が集まっている。
聞けば彼等も俺達みたいにどこかしらから逃げてきた…いわゆる不良集団だった。
(ここで逃げても、結局袋叩きにされて終わるだろうな。)
結局あそこに居ても、ここに来ても変わらないだろう。
しかし、一人で生き抜く力はまだ自分には無い。
ならば―

「仲間に…入りたい。」

選択肢は一つだった。
4/9ページ
スキ