第17章
パチン、と爆ぜる音が一つ。
じわじわと夜の暗闇がそこから去り、光が灯る。
はい、と差し出された光に持っていた葉巻を寄せると、火が付きすぐにそれをやや大振りに振って早く消す。
すぐさま何事も無かった様に吸い始めるが、いつもなら「火を消すところまでやってあげるのに。」と笑う声が聞こえてこない。
(―気ィ遣われている、か。)
無理もない、と自分の事ながらノイはぼんやりと思う。
あの後、無事に警官からの事情聴取と報奨金を貰い、目的が叶った一同はそのままあの島から離れ今は航海している途中なのだが。
やはり、あの出来事が頭から離れない。
「ノイ。」
葉巻を吸わずにただ目の前で揺らぐ煙を見ている事をサナに指摘され、彼は慌てて吸い始める。
しかし、いつもならスムーズにいくはずの喫煙も、煙を吸い過ぎてゲホゲホッ!と咳き込んでしまう。
いたたまれない気持ちに駆けられるノイにそっと声が掛けられる。
「貴方は、何も…気にしなくて良いと思うわ。」
それはこの失敗の事か、と一瞬思うが表情が明らかに真剣なものになっていた。
「あの子達の事情も、貴方とあの子達にあった事も知らない事が多いわたしが言うものなんだけど…今回、あの子達が貴方の手を握らなかったのは、貴方のせいではないわ。」
ずっと考えていた事を言い当てられる。
どう返したら良いのか考えていると、またも相手から声がした。
「わたしの考えだけど、あの子達は貴方に恩があるからこれ以上迷惑を掛けない様に縁を切った…ただそれだけよ。」
「恩…そんなのはねぇよ。」
ふう、とやっと煙を味わえる様になり、ノイは返事をする。
「一番最初に知り合った時はお互い都合が良いからつるんだだけだ…そんなつもりは。」
「貴方は無かったとしても、向こうは違いますよ。」
ざぁ…と穏やかな波が船を揺らす。
しかし、動揺する事も無くサナははっきりと告げる。
「ここにも―貴方が居たから救われた人間が居る事、忘れないで下さいね。」
付けるのは苦手でも消火は大丈夫よね、とそっと離れてゆく美形。
一人船の上に残されたノイは、自分の周りに漂う苦い匂いを感じながら。
―少し、自分の過去に思いをはせた。
じわじわと夜の暗闇がそこから去り、光が灯る。
はい、と差し出された光に持っていた葉巻を寄せると、火が付きすぐにそれをやや大振りに振って早く消す。
すぐさま何事も無かった様に吸い始めるが、いつもなら「火を消すところまでやってあげるのに。」と笑う声が聞こえてこない。
(―気ィ遣われている、か。)
無理もない、と自分の事ながらノイはぼんやりと思う。
あの後、無事に警官からの事情聴取と報奨金を貰い、目的が叶った一同はそのままあの島から離れ今は航海している途中なのだが。
やはり、あの出来事が頭から離れない。
「ノイ。」
葉巻を吸わずにただ目の前で揺らぐ煙を見ている事をサナに指摘され、彼は慌てて吸い始める。
しかし、いつもならスムーズにいくはずの喫煙も、煙を吸い過ぎてゲホゲホッ!と咳き込んでしまう。
いたたまれない気持ちに駆けられるノイにそっと声が掛けられる。
「貴方は、何も…気にしなくて良いと思うわ。」
それはこの失敗の事か、と一瞬思うが表情が明らかに真剣なものになっていた。
「あの子達の事情も、貴方とあの子達にあった事も知らない事が多いわたしが言うものなんだけど…今回、あの子達が貴方の手を握らなかったのは、貴方のせいではないわ。」
ずっと考えていた事を言い当てられる。
どう返したら良いのか考えていると、またも相手から声がした。
「わたしの考えだけど、あの子達は貴方に恩があるからこれ以上迷惑を掛けない様に縁を切った…ただそれだけよ。」
「恩…そんなのはねぇよ。」
ふう、とやっと煙を味わえる様になり、ノイは返事をする。
「一番最初に知り合った時はお互い都合が良いからつるんだだけだ…そんなつもりは。」
「貴方は無かったとしても、向こうは違いますよ。」
ざぁ…と穏やかな波が船を揺らす。
しかし、動揺する事も無くサナははっきりと告げる。
「ここにも―貴方が居たから救われた人間が居る事、忘れないで下さいね。」
付けるのは苦手でも消火は大丈夫よね、とそっと離れてゆく美形。
一人船の上に残されたノイは、自分の周りに漂う苦い匂いを感じながら。
―少し、自分の過去に思いをはせた。
