第17章

降って湧いた様な提案に、聞いていた二人はハッとして彼の顔を見た。
「今俺らの仲間に便利な力を持ってるヤツがいるから、ソイツに力借りてここを出ればいい。」
おそらくノイが言っているのはマツリの事だ、としれっとマツリも巻き込もうとする彼の考えには賛同しかねるが、サナはそのまま無言を貫く。
「この島では真っ当に働けなくても、他の場所がある…お前らには盗み以外の道があるはずだ。」
真っ直ぐ彼等を見つめる瞳は、騙すつもりは微塵も無い助けようとする意思を伝える。

「―お前らは、やり直せる。」

手を差し伸べる、それまで戦い合っていた相手に。
彼等は唐突な彼の行動に戸惑いが隠せない、しかし時間は無情にも減って行く。
近付いて来る警官の足音、そして。
「…ありがとうございます、ノイさん。」
絞りだした声、その後。
「オレ達―自首、します。」
ぱっと、差し出されたその手は握られる事は無く。
二人は手を繋いで警官達が見える場所へと、飛び出していった。
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